研究課題/領域番号 |
24530234
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
菅 幹雄 法政大学, 経済学部, 教授 (50287033)
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研究分担者 |
宮川 幸三 慶應義塾大学, 産業研究所, 准教授 (00317281)
森 博美 法政大学, 経済学部, 教授 (40105854)
宮内 環 慶應義塾大学, 経済学部, 准教授 (80209858)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ビジネスデモグラフィー / ビジネスレジスター |
研究概要 |
1.欧米諸国のビジネスデモグラフィー統計の実情を直接インタビューするために研究分担者である森博美氏を中心としてOECD、ドイツ連邦統計局、フランスINSEE、イギリス統計局でインタビュー調査を実施した。OECDの担当者であるルナーティ女史は日本のビジネスデモグラフィー統計について高い関心と期待を示した。ドイツ、フランス、イギリスのビジネスデモグラフィーについては、各国それぞれの事情があることが判明したが、フランスの登記情報を用いた速い公表、イギリスの手堅いビジネスデモグラフィー統計の作成方法が大いに参考になった。 2.フィンランド統計局とは、ビジネスレジスターのミクロデータの使用について交渉を行った結果、入手することに成功した。企業のファイルと事業所のファイルから構成されており、事業所と企業の関係をどのようにビジネスレジスター上で描いているのか等、わが国のビジネスレジスター構築の上で参考になる。現在、研究分担者である宮内環氏及び宮川幸三氏がフィンランド語から和訳しながら、内容の詳細な吟味を行っている。 3.ビジネスデモグラフィー統計の研究を進めるうち、労働力調査を用いた自営業のビジネスデモグラフィー統計の作成可能性が提案されたので、総務省統計センターに依頼し、労働力調査のオーダーメード集計を依頼し、その結果を入手した。現在、代表者の菅幹雄が中心となって内容の吟味を進めている。 4.研究分担者である宮川幸三氏が中心となり、起業家精神指標の定義についての整理を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1)欧米諸国のビジネスデモグラフィーの調査については、ドイツ、フランス、イギリスの主要国の統計機関に対するインタビュー調査が実現し、実情を把握することができた。またOECDを訪問しルナーティ女史との連携が確認でき、OECDにおけるビジネスデモグラフィーの整備の方向性も確認できた。 2)幸いにもフィンランドを訪問することなしに、旧知のマルコ氏を通じ、同国のビジネスレジスターデータを入手することができ、その内容の吟味にとりかかれた。 3)労働力調査のオーダーメード集計によって、日本についても自営業のビジネスデモグラフィー統計が構築できる見通しがたった。 4)起業家精神指標の定義についての整理を行った。
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今後の研究の推進方策 |
1)まだインタビューを行っていないイタリア統計局、アメリカ・センサス局、カナダ統計局に対するインタビューを実施し、主要国のビジネスデモグラフィー統計の進展具合を網羅的に把握する。 2)フィンランドのビジネスレジスターのミクロデータを用いた実験的分析を進める。統計単位の定義を変更した場合に、企業動態統計の指標がどのように変わるかという実験である。 3)起業家精神指標の作成・分析に関する研究を進め、わが国の実情にあった指標を提案する。 4)労働統計を用いて自営業に関するわが国のビジネスデモグラフィー統計を構築する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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