• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

高血圧治療における費用効用分析-国民医療費の低下を目指して-

研究課題

研究課題/領域番号 24530239
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東北大学

研究代表者

佐藤 美帆  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (70579622)

研究分担者 柿原 浩明  京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (20351314)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード原発性アルドステロン症 / 費用対効果 / 費用効果分析 / マルコフモデル / デシジョンツリー / 高血圧 / 国民医療費 / 副腎静脈サンプリング
研究概要

1.モデルの作成
内分泌科医、放射線科医との入念なディスカッションにより、高血圧症(原発性アルドステロン症を含む)に対する診断、治療および予後の考えうる健康状態の遷移を示したモデルの再検討を行い、ディシジョンツリー、マルコフモデルの理論を組み入れ、実際にソフトウェアを用いてモデルの構築を行った。引用値を用いて、増分費用、増分効果のシミュレーションを行ったが、エラーなく解析できるモデルが完成した。
2.インプットデータの計測
確率値の計測は、先に行われているPrimary aldosteronism Sendai study (PASS) において計測中である。費用については、原発性アルドステロン症の症例リストから、手術適応例と非手術例において当院の医事データを用い、高血圧およびその合併症に関わる直接医療費(外来・入院医科診療費と調剤薬剤費)を実測した。同様の方法を用いて、本態性高血圧症および合併症である脳卒中の直接医療費を調べるため、現在症例リストの作成を行っている。また、効果の測定においては、Quality adjusted life years (QALYs)の換算に用いるQOL調査を始めるため、アンケート調査用フォームの検討を行い、臨床の患者アウトカム評価にも応用するため、EQ-5D、SF36および排尿調査を含む調査票を作成し、3月下旬から当院内分泌外来にて施行を始めた。
これらのモデルとインプットデータの収集、および今後行う費用効果分析に関してアドバイスを受けるため、共同研究者の所属する京都大学薬学部・医薬産業政策学講座でのプレゼンテーションを行い、評価指標の妥当性や、比較する方法論の多様性について議論した。また、医学的視点からの好評を受けるため、日本高血圧学会にて、ポスター発表を行い、学外関係者から有用な意見や質問を受けた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画は予定通り進んでおり、初年度の目標であったモデルの再構築と、仮のインプットデータを用いたモデルの検証を実証済みである。
当初は脳卒中以外の合併症についてもモデルに組み入れる予定で居たが、症例リストの作成が困難であり、確率値、費用の測定ができず、本研究における高血圧の合併症の取り扱いは、現時点では脳卒中のみに限定することとした。
国内における学内・学外でのアウトプットとして、学会発表や研究室発表を行なっているが、平成25年度の7月には国際医療経済学会にて、本研究の中間報告としての発表を行う予定である。また現在、モデルと仮の値を用いたシミュレーション結果についての論文を作成中である。

今後の研究の推進方策

平成25年度は主に構築したモデルに入力するインプットデータを揃えるため、実測を行う。(但し、確率値のデータ収集においては、PASSに委任する。)はじめに、アウトカムとして扱うQALYsの算出に伴うQOL調査を24年度の3月下旬より始動しているが、これらの集計と生存年数を用い、モデルにおける各健康状態のQALYsを算出する。
次に本態性高血圧症に関わる費用、合併症である脳卒中に関わる費用の調査を行う。前者についてはすでに専門医により作成された当院の本態性高血圧患者リスト(50例)を入手し、医事データの検索作業にかかっている。脳卒中の患者リストに関しては、当研究の協力者である放射線科医、内分泌科医にかかる症例のみでは症例数が十分ではないため、画像診断システムを用い、過去のCTとMRI画像を用いて、内因性の脳卒中症例リストを作成する方向である。これについては、現在当院の倫理委員会に申請中である。
またこれらのデータと仮のインプットデータを用い分析を行い、その妥当性を観察する。

次年度の研究費の使用計画

アンケート調査に伴う物品費(用紙、記入用具)、アンケートフォームのライセンス更新、集計データ管理に関するセキュリティ等、回収したインプットデータの統計的処理を行うためのソフトウェアとそれらの解析技術向上のための講習会参加費および旅費、研究成果の中間発表に伴う旅費、英文校正費、投稿費など
また、次年度使用額は今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成25年度請求額とあわせ、平成25年度の研究遂行に使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Cost-Effectiveness Analysis of Primary Aldosteronism Screening in Japan2013

    • 著者名/発表者名
      Miho Sato
    • 学会等名
      International Health Economics Association, the 9th World Congress on Health Economics
    • 発表場所
      Sydney, Australia
    • 年月日
      20130707-20130710
  • [学会発表] 日本における原発性アルドステロン症のスクリーニングに関する医療経済分析2012

    • 著者名/発表者名
      佐藤 美帆
    • 学会等名
      第35回日本高血圧学会総会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20120920-20120922

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi