本研究では、先進国と途上国それぞれの経済成長のエンジンについて理論的および数量的に分析を行った。特に、(1)先進国について、人的資本の分布が経済成長および所得分配に与える影響、(2) 新製品の先進国から途上国への生産移転のタイミングおよび生産拠点と製品の品質上昇率との関係、(3)途上国の経済成長のエンジンである学習について、その異なる種類とそれぞれの効果、(4)生産タスクの性質が生産プロセスの国際的分割に与える影響を解明した。その際、これまでの研究では注目されてこなかった新しい仮説のもとでモデルを設定し、既存文献では得られていないいくつかの新しい分析結果を導くことに成功した。
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