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2014 年度 実績報告書

子ども医療と公立病院の役割、地方自治体の政策とその評価に関する経済学研究

研究課題

研究課題/領域番号 24530259
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

澤野 孝一朗  名古屋市立大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (80336354)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード公立病院の役割 / 経済性・公共性 / 指定管理者制度 / 地方独立行政法人 / インセンティブ設計 / 全国消費実態調査 / 匿名データ / 少子・高齢化
研究実績の概要

本研究では、地方自治体が独自に実施する政策である子ども医療費の無料化と公立病院の設置・運営に関する理論的・実証的分析を行う。平成26年度の研究では、その先行研究のサーベイを踏まえ、ニュー・パブリック・マネジメントと呼ばれる公立病院改革の効果と成果について明らかにする。研究最終年度であるので、研究全体の総括を行う。
平成26年度は、公立病院改革で活用される病院のエージェンシー化について、その制度をまとめ、地方公営企業で期待される「経済性」と「公共性」の両面がどのように実現されるのか、実現されないのであれば、どの部分が障害となるのかをHolmstrom and Milgrom(1991)のマルチ・タスク・モデルを用いて明らかにした。
本稿の主要な結論は、(1) 近年の公立病院改革では、民間的経営手法の活用が求められている。その代表的手法として、指定管理者制度・地方独立行政法人・PFIの3つがある。これら手法を活用し、成果を得るためにはインセンティブ設計を行う必要がある。(2) 非営利病院において余剰と病院のサービス使命に関する成功度の2つを考えるマルチ・タスク・モデルでは、病院のサービス使命の実現に関する努力を引き出すため、その成果指標を契約で用いないこと、余剰に関する出来高率を引き下げることが最適契約である。(3) 指定管理者制度・地方独立行政法人・PFIの3つを早期に活用した病院の契約と制度を検討した。この内、指定管理者制度を活用した病院には、「経済性」と「公共性」の両面を実現させるインセンティブ設計があり、公立病院の役割を効率的に実現している。
子ども医療費の無料化の実施に関する影響の計測は、本研究の成果に基づき、総務省『全国消費実態調査』の匿名データの利用が許可された。
研究全体の総括として、医療費負担のあり方に関して、健康保険組合連合会より寄稿の依頼があった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち謝辞記載あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 公立病院の役割と契約、制度設計およびエージェンシーについて-指定管理者制度・地方独立行政法人・PFI-2015

    • 著者名/発表者名
      澤野孝一朗
    • 雑誌名

      オイコノミカ(名古屋市立大学経済学会)

      巻: 第52巻 ページ: 印刷中

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 全国消費実態調査のミクロデータ分析-1.Quantile regressionsによるエンゲル曲線の推定-2015

    • 著者名/発表者名
      澤野孝一朗
    • 雑誌名

      Nagoya City University Discussion Papers in Economics

      巻: 597 ページ: 1-40

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 少子・高齢化の進展と高齢者医療費の負担、産業空洞化について2015

    • 著者名/発表者名
      澤野孝一朗
    • 雑誌名

      健康保険(健康保険組合連合会)

      巻: 第69巻3号 ページ: 26-29

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] 疑似ミクロデータ(平成16年全国消費実態調査)の分析-Quantile regressionsによるエンゲル曲線の推定-2014

    • 著者名/発表者名
      澤野孝一朗
    • 学会等名
      日本経済学会
    • 発表場所
      西南学院大学(福岡県・福岡市)
    • 年月日
      2014-10-11 – 2014-10-11
  • [学会発表] 病診連携システムの稼働状態と病院組織の経済学的分析-DPC病院データと地域医療情報ネットを活用した実証分析-2014

    • 著者名/発表者名
      朝元綾子・澤野孝一朗
    • 学会等名
      日本医療・病院管理学会
    • 発表場所
      TOC有明コンベンションホール(東京都・江東区)
    • 年月日
      2014-09-13 – 2014-09-13

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公開日: 2016-06-01  

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