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2012 年度 実施状況報告書

イノベーションの類型化と製品ライフサイクルに関する理論・実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 24530261
研究種目

基盤研究(C)

研究機関神戸市外国語大学

研究代表者

友田 康信  神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (30437280)

研究分担者 田中 悟  神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (20207096)
DAVIS COLIN  同志社大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70432557)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードプロダクトライフサイクル / イノベーション / 特許 / スピルオーバー
研究概要

われわれの研究は、理論研究と実証研究から成り立つ。本プロジェクトの理論研究と実証研究について、研究実績の概要を、以下、概要を簡潔に述べる。
理論研究においては、クオリティイノベーションとプロセスイノベーションが併存する内生的成長モデルを構築した。このモデルは、経済環境により製品のライフサイクルが内生的に形成され、さまざまな市場環境によって製品ライフサイクルの期間が異なることを説明できる点において、既存研究と大きく異なるものである。さらに、現在、内生的成長モデルにおいて大きな関心を集めている、研究補助金が経済成長に影響を与えることが可能か、という点について、製品ライフサイクルを通じた影響を考察することにより、本モデルは新たな知見を与えることができると考えている。残念ながら、平成24年度中に、論文第一稿を完成させることはできなかった。しかし、主たる理論的な結果はすでに出揃っており、現在、参考文献との関連を深め、理論モデルにおいていくつかの付随的な拡張が可能かを確認しつつ、論文の推敲を行っている。
実証研究において、現在、研究開発活動が、プロダクトサイクルに与える影響について、検証している。平成24年度は、特に、日本の特許情報を用いて、国際間の技術知識のスピルオーバー効果は存在するのか、このスピルオーバー効果はどのような要因に作用されるのであろうか、という点について、液晶パネル技術分野に焦点を当てて実証的に検証した。この研究は、生産拠点が先進国から新興国に移り、先進国では新たな製品が生まれるという、古典的なプロダクトサイクル研究において、極めて重要なものであると考えられる。本研究は、Working Paperとしてとりあえず完成させることができた。今後は、この論文をしかるべき学術誌に掲載することを当面の目標とする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、理論研究と実証研究に分かれている。
理論研究において、第一稿を完成させることはできなかったが、主な結果は出揃っており、現在論文を遂行中である。詳細は以下に譲るが、基本論文を作成しつつ、プロダクトライフサイクルを生み出す新たなアプローチを見出しつつあるので、基本論文を完成させたら、この研究に取り組みたいと考えている。
実証研究において、以下の論文を完成させることができた。
Tanaka,S. and Hasegawa,S. (2013) "Cross-Border Knowledge Transfer by Inventors: The Case of Japanese Liquid Crystal Panel Industry," Kobe City University of Foreign Studies Working Paper Series, No.46.
当面は、この論文をしかるべき学術誌に掲載することを目的とする。

今後の研究の推進方策

以下、理論研究と実証研究に分けて、今後の研究計画を述べる。
理論研究において、標準的内生的成長モデルを拡張し、クオリティイノベーションとプロセスイノベーションが併存するモデルにおいて、ある経済環境の下でプロダクトライフサイクルが生じる基本モデルを構築した。本論文は近いうちに完成するみこみであるので、平成25年7月にパリで開催される第13回 Society for the Advancement of Economic Theory にて報告予定である。学会報告を通じてさらに論文を推敲し、しかるべき学術誌への掲載を目指す。
さらに、上記の理論研究を行う中で、別のアプローチによりプロダクトライフサイクルを説明可能なモデルに関する基本的なアイデアを得た。上記の論文が完成したら、この研究に取り掛かりたいと考えている。上記の研究は創造的破壊によるイノベーションがプロダクトサイクルの原因であったが、新しい研究では多段階最適化問題を応用することにより、企業の製品開発戦略に焦点を当てて、製品のライフサイクルを内生的に導出したいと考えている。
実証研究について、「現在までの達成度」の欄に記載したWorking Paperをしかるべき学術誌に掲載することを目指す。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度の主な研究費の使用計画を、以下のように理論研究と実証研究にわけて記載し、最後に共通の経費について述べる。
理論研究については、平成25年度の早い段階に、“Competing Process and Quality Innovation and the Product Life Cycle” というタイトルの論文が完成する予定である。この論文を、平成25年7月にパリで開催される第13回Society for the Advancement of Economic Theoryにて報告予定であり、このための旅費が多めにかかる見込みである。
実証研究については、更なる研究を進めるため、データセットの拡充、修正を予定しており、その作業を依頼する学生ないし研究員を探している。ふさわしい人物が見つかれば、謝金を支払い、データセットの修正を依頼する予定である。
以上のほかにも、理論研究・実証研究に必要となる研究経費として、それぞれ論文をしかるべき国内学会や大学のセミナーで報告するための旅費が必要であり、関連書籍の購入なども予定している。

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公開日: 2014-07-24  

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