研究課題/領域番号 |
24530261
|
研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
友田 康信 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (30437280)
|
研究分担者 |
田中 悟 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (20207096)
DAVIS COLIN 同志社大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70432557)
|
キーワード | プロダクトライフサイクル / イノベーション / 特許 / スピルオーバー |
研究概要 |
本プロジェクトは、理論研究と実証研究から成り立っている。本プロジェクトの理論研究と実証研究について、研究実績の概要を以下に述べる。 理論研究について、いくつかの成果を上げることができた。本プロジェクトの中心となるクオリティイノベーションとプロセスイノベーションが併存する内生的成長モデルを完成させ、成果をworking paper にまとめた。片方のイノベーションにより成長する経路と、両方のイノベーションにより各産業でプロダクトライフサイクルが起こりながら経済が安定的に成長する経路、合計3つの経路が存在することが、当初の予想どおり確かめられた。その一方で各均衡の安定性や、均衡が存在するための両イノベーションのパラメーターの範囲などについて、当初想定していなかったいくつかの興味深い結果を得ることができた。現在、この論文は、ある国際的な査読付学術雑誌に投稿中である。また、本プロジェクトと密接な関連を持つ研究として研究分担者が作成した論文が、Journal of Economic Dynamics and Control に掲載された。 実証研究において、研究開発活動がプロダクトライフサイクルに与える影響について、研究を行っており、平成24年度に作成したworking paper をしかるべき学術雑誌に掲載することを引き続き目指していく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年間で本プロジェクトの結果を出すことを予定している。研究期間の2年目である平成25年度に、本プロジェクトが最大の目標としていた理論研究が完成し、いくつかの興味深い結果をworking paper としてまとめることができた。この論文は、まだしかるべき国際的な査読付学術雑誌に受理されたわけではないが、最終年度である平成26年度中の受理を目指しており、その意味では、本プロジェクトはおおむね順調に推移していると評価できる。 さらに、関連研究である以下の論文が掲載されたことも、成果として挙げたい。 Colin Davis and Ken-ichi Hashimoto, 2014, "Patterns of technology, industry concentration, and productivity growth without scale effects", Journal of Economic Dynamics and Control 40, 266-278.
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、主に現在の working papers をしかるべき国際的な査読付学術雑誌への掲載を目指す。さらに、上記の研究を行う過程で、本モデルとは別のアプローチに基づき、プロダクトライフサイクルを説明しうるモデルに関する着想を得た。具体的には、本プロジェクトはプロダクトライフサイクルが合成されて生じるマクロの経済成長を分析しようとするものであるが、今後は、産業の技術的特性や、何よりも産業の競争環境によって生じるプロダクトライフサイクルを分析し、経済厚生を評価できるかもしれない。可能ならば、その研究にも取り組んでいきたい。
|
次年度の研究費の使用計画 |
本プロジェクトの実証分析に関する論文作成について、平成25年度に予定していたデータ分析に問題が生じた。当初平成25年度に予定していた国際学会のエントリー締め切りまでにデータ分析が間に合わなかったため、国際学会への出席を見送った。現在、この問題は克服されており、国際学会出席を平成26年度に変更した。 上記、データ分析に関する諸問題についての克服を行うことができたため、平成26年度に繰り越した旅費については、平成26年度に国際学会への参加、ならびに課題研究に関するヒアリング調査・海外研究者との意見交換に使用予定である。
|