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2012 年度 実施状況報告書

応用一般均衡モデルによる温暖化対策の分析

研究課題

研究課題/領域番号 24530263
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都産業大学

研究代表者

武田 史郎  京都産業大学, 経済学部, 教授 (00364688)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード温暖化対策 / 不完全競争モデル / 応用一般均衡モデル
研究概要

近年、CGE モデルを利用した温暖化対策の定量的分析が活発に行なわれるようになっているが、既存の分析のほとんどが完全競争を仮定したモデルを前提としている。しかし、現代の経済において、多くの産業では不完全競争が観察されている。理論的な分析では既に不完全競争といった要素がごく普通に取り入れられているが、CGEモデルでは理論的な研究の成果が取り入れられていないのが現状であった。
本研究の目的は、不完全競争を導入したCGEモデルを構築し、温暖化対策の効果を定量的に分析することである。特に、単一の不完全競争モデルではなく、様々なタイプの不完全競争モデルを構築し、完全競争モデルと不完全競争モデルという比較だけではなく、様々な不完全競争モデルの比較をおこなっているのが特徴である。モデルには、武田(2007)、Takeda (2010) のCGEモデルを温暖化対策分析用に拡張したものを利用した。15部門、8地域の多地域CGEモデルであり、一つの完全競争モデルと6つの不完全競争モデルを想定している。
以上のようなモデルを前提とし、Annex B国が排出規制をおこなう政策の効果を分析した。主な分析結果は以下の通りである。まず、不完全競争モデルは完全競争モデルよりも温暖化対策の負担が大きくなる傾向が観察された。第二に、参入退出がないモデルでは負担が大きくなった。場合によっては、厚生の低下率が完全競争モデルの2倍程度に拡大した。第三に、Variety効果があるモデルは負担は大きくなる傾向にあった。第一の結果は、完全競争モデルを利用している既存の研究の分析が温暖化対策の負担を過小評価している可能性を示唆している。温暖化対策がどの程度の経済的負担をもたらすかは温暖化対策決定において非常に重要な意味を持つことから、本研究の分析結果は政策決定にも有用な情報となると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

不完全競争モデルのCGEモデルを構築し、温暖化対策の分析をおこなうということは達成できた。しかし、予定していた全ての不完全競争モデルを構築することはできなかった。予定では、8タイプほどの不完全競争モデルを構築する予定であったが、数値計算上の問題などが生じたため、現在のところ6タイプの不完全競争モデルを使ったシミュレーションしかできていない。

今後の研究の推進方策

今後はまず24年度の研究において達成できなかった部分を終了させる。具体的には、24年度において予定していたができなかった、不完全競争モデルの構築をし、引き続き不完全競争モデルによる温暖化対策の分析をおこなう。
第二に、計画書通りに、排出量取引政策についてのCGE分析をおこなう。具体的には、排出量取引制度における初期配分方式の分析、及び各国の排出量取引制度を国際間でリンクする政策の分析である。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 不完全競争応用一般均衡モデルによるCO2排出規制の分析

    • 著者名/発表者名
      武田史郎
    • 学会等名
      国際経済学会関西支部研究会
    • 発表場所
      関西学院大学大阪梅田キャンパス

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公開日: 2014-07-24  

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