研究課題/領域番号 |
24530264
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
清水 大昌 学習院大学, 経済学部, 教授 (10396898)
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研究分担者 |
海老名 剛 信州大学, 経済学部, 講師 (00579766)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 合併基準 / 製品差別化 |
研究実績の概要 |
本研究では、国内の大型企業同士、ならびに国内外企業の合併について、公正取引委員会が用いている既存の企業結合ガイドラインを見直し、現在の日本ならびに世界の経済事情により整合した合併基準を目標としている。ただし、公正取引委員会競争政策研究センターとの提携は不調であったため、現在では理論的分析を進め、本研究の研究代表者と研究分担者が主催している研究会において、発表ならびに外部の研究者との交流を行い、合併基準についての政策提言を作成している。なお、この研究会の進行状況については(*)のURLにて公表している。 研究自体の具体的進展は以下の通りである。まず、製品差別化の一種と解釈される非対称補完財のケースを想定し、企業間の合併戦略に関する分析を行い、その結果を国際雑誌Journal of Economicsより公刊した。また、対称補完財のケースにおける分析結果を明示的に示し、両者の結果を比較することにより、競争政策の観点から新たな分析結果と含意を導いた。そして、それらの結果を日本応用経済学会の特別セッションにて報告した。次に、企業が製品差別化戦略を動学的視点から行うだろうという考えを分析するため,連続時間の線形立地モデルを構築し、均衡戦略を導出した。同結果を日本応用経済学会にて報告した。本研究は、最終年度の動学的な合併の意思決定、および独占禁止法における競争政策の観点から政策的含意を得る際、重要な礎になると考えている.
(*) 応用経済学研究会 http://www-cc.gakushuin.ac.jp/~20060015/aew/index.html
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究における、企業結合についての提言を行うための理論的バックグラウンドの用意は順調だと考えられる。しかし、その発表機会が次年度(2015年度)にずれ込んでしまった。2015年度には発表ならびに交流を行い、研究を終了できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度も理論的バックグラウンドの構築を継続するため論文の作成を進めていく。また、他分野の研究者を含めて行っている研究会は引き続き行っていく。海外学会での発表も含め得られた内容を最終的にまとめ、現状と整合的な合併基準の作成を目標とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度において研究会を数回行った結果、本プロジェクトで提言したい内容を達成するには予定より少々変更した内容を考慮する必要があることが分かった。そこでその分析を行った後、本年度行う予定であった、特に海外での研究発表は来年度行うことが望ましいと考え、そのため今年度の未使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
(1)国内外での学会・研究会にて研究成果を発表し、関連する研究者や実務家との議論を行う。(2)研究成果を論文としてまとめる際に掛かる英文校正費用や投稿料に使う。(3)研究の際に必要となる作業を手助けできる人員を確保する。
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