研究課題/領域番号 |
24530267
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
有村 俊秀 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (70327865)
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研究分担者 |
片山 東 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (00595746)
岩田 和之 高崎経済大学, 地域政策学部, 准教授 (90590042)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 環境経済学 / 省エネルギー / 構造推定分析 / 行動経済学 / 社会的規範 |
研究実績の概要 |
家計からの温室効果ガス削減のために省エネ行動促進が注目されており、その実態及び促進方法について実証研究を行った。初年度は省エネに関する情報提供と省エネ行動の関係を分析し、14の省エネ行動に関して分析した結果、①省エネ行動によって実施率に大きなばらつきがある、②実施率と実節約金額(温室効果ガス削減)とは相関が低いということが示された。 二年目には震災以降の省エネ行動の現状および促進策を検討するためのインターネット家計調査(震災後家計サーベイ)を実施し、日本全国から6500世帯の回答を得た。その結果、「夏季エアコンの28度設定」、「テレビは見ない時には消す」という行動を実施しているのは、家計の47%、61%に過ぎないことが示され、家計における温室効果ガスを削減ポテンシャルの大きさが示された。また、節電に関する家計の認識や誤解についても実証研究を行い、それらの結果を国際学会で報告し、ディスカッションペーパーとして完成させた。 最終年度は、省エネ行動における社会的規範意識が果たす役割・影響について構造推計による研究を進めた。感度分析により結果の頑健性が確認されたので、論文の加筆修正を行い、国際専門雑誌に投稿をした。 また、家計の省エネ行動の節約金額に関する把握を分析した結果、米国の先行研究とは異なり、日本では節電額を過大評価していることが確認された。正しい節約金額を提示すると、省エネ行動を阻害する可能性があるのであり、省エネ行動促進のためには、節約金額情報提供ではなく別の施策を導入することが求められる。この成果は、国際学術雑誌に投稿し受理された。震災以降、省エネ行動は変化している可能性があるため、震災前と震災後の家計行動のデータを用いた分析も行った。 さらに米国の大学で省エネ行動に関するワークショップを行い、一連の研究成果に関して、国際的に普及するととともに、フィードバックを得た。
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