研究課題/領域番号 |
24530269
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
井尻 直彦 日本大学, 経済学部, 准教授 (50320990)
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研究分担者 |
前野 高章 日本大学, 経済学部, 助手 (00590605)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 / ヨーロッパ |
研究概要 |
平成24年度では、本研究計画の計量分析に必要である国際規格の分類コード(ICS)と国際貿易の財分類コード(HS 6-digit)を接続する対照表の作成に多くの時間を費やして来た。第1版となるこの対照表の作成を完成し、この対照表に基づいて国際貿易フローに及ぼす国際規格発行の影響を計量的に分析している。この分析では、研究計画作成時に期待していた国際規格の取引費用低減効果を示すような結果を得ている。これを日本大学経済学部中国・アジア研究センターのWorking paperとして刊行している。そして、この分析結果を日本国際経済学会全国大会、英国Nottigham大学GEPセンターのInternational Conference, OECD Workshop等で口頭報告を実施し、本研究を広く知らしめる努力もしている。 しかし、この対照表作成で研究計画段階では考慮してない問題点に気付き、これに対処すべく改善案を検討した。そこで、我々はICSコードではなく、個々の国際規格自体と関連するHS6桁の貿易財との対照表作成に着手した。この作業は、膨大な作業を必要としすぐに完了することはできない。貿易財はHS6桁で約6千あり、また国際規格は2011年末で約2万6千ある。現時点で、約千の貿易財と国際規格を対照させている。この作業のために、研究補助者を雇用した。また、計量分析に用いる貿易データの規模が大きく、通常のPCでは分析できないためWorkstationを購入して分析を進めている。現在は、対照済みである約千の貿易財を分析対象とし、国際規格発行が貿易フローに与えた影響を分析するための準備を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では初年度にHSコードーICSコード間の対照表を作成する予定であったが、初年度前半に作業を完了し、この対照表に基づく計量分析を実施することができた。そして、研究計画には無かった、さらに詳細なHS-国際規格間の対照表作成に着手する事ができている。また、予定以上のペースで学会、国際会議等で研究報告をすることができている。これらの理由で、初年度においては当初の計画以上に進展していると評価している。
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今後の研究の推進方策 |
上述した内容と重複する部分もあるが、まずHS - 国際規格間の対照表作成の進展を第一の目標としている。しかし、この作業は膨大な労力を必要とするため、次年度だけで完了するとは考えられない。そこで、この新たな対照表作成を進めるときに、特定の産業(ISIC29から35)を優先して作業を完了させ、こらら特定の産業における国際規格発行の影響を計量的に分析していく予定である。特に、6月にはEuropean Academy for Standardsの年次大会で本研究成果を口頭報告する予定であり、7月末には他の国際学会でも報告することを検討している。そのため、対照表作成作業と計量分析を効率的に進めて行く必要がある。
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次年度の研究費の使用計画 |
上述したように大規模データを取り扱うWorkstaionを初年度の購入しているが、想定よりも分析データの規模が大きくなったため、メモリーを新たに128Gバイト追加購入する必要がある。そして、対照表作成を効率的に進める必要から研究補助者を雇用する。また、国内外の学会、会議等で研究成果を報告するために旅費を使用する予定である。
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