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2013 年度 実施状況報告書

インターネット上の情報検索機能によるプライバシー侵害の経済分析

研究課題

研究課題/領域番号 24530272
研究機関早稲田大学

研究代表者

土門 晃二  早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (00264995)

キーワード経済政策 / プライバシー
研究概要

平成25年度は、第一に前年度に収集したグーグルストリートビューに関するアンケートのデータ(タイ:バンコク、プーケット; 台湾:台北、台南)を分析した。得られた主な結果は、以下の通りである。1)ストリートビューによるプライバシー侵害を感じる割合が、両国とも20%ほどで、この数字が大きいのかどうかは意見が分かれる。2) 両国とも女性の半数以上が、ストリートビューにより、他の人に住所を教えることに躊躇する。3)タイよりも台湾の方が、ストリートビューに対する抵抗感が強い。住居および町の構造(もともとタイは南国のためオープンである)が影響しているものと思われる。4)両国ともストリートビューの利用者と非利用者の間で、プライバシー侵害に関する違いはほとんど見られない。これらの考察は論文にまとめ、マレーシアのマルチメディア大学のセミナーで発表した。ただし、学術雑誌に投稿可能な最終的な学術論文までには至らず、セミナーでの議論を踏まえ論文の修正を行った。
第二に、ストリートビューに関するタイおよび台湾の現状を調査(ネットおよび新聞雑誌:現地アシスタントに情報収・集翻訳依頼)し、その問題点を探った。両国ともストリートビューに対する批判はあるものの、おおむね肯定的である。特に、タイのような観光立国では、ストリートビューによる観光地紹介の効果を大きく取り上げている。
第三に、ディスカッション・ペーパーにおける理論分析において効用関数の拡張を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初計画では、国内地方自治体での情報収集を行う予定であったが、国際間の相違点を見るためにタイと台湾に対象地域が変更された。ただし、このこと自体は視野を広めるために行われたものであり、否定的なものではない。また、欧州での成果発表を予定していたが、データ収集がアジアであったためにマレーシアに変更された。研究の対象地域を考えた場合には、適切な変更であった。平成24年度からの持越しである学術雑誌での成果公表はいまだ達成されておず、計画が遅れていることは否めない。

今後の研究の推進方策

最終年度であることから、理論分析、実証分析および政策分析(法・経済学)を行い、本研究をまとめる。その中で、今年度は、位置情報以外にSNSやブログによる自発的な公開メッセージ、およびポータルサイトの保持する個人情報の公開、画像検索などのよるプライバシー侵害についても考察を行い、ウェッブ上のプライバシー侵害全般にわたる特徴を引き出すようにする。以上の考察で得られた結果は、セミナーや学会、専門雑誌を通して広く公開する。

次年度の研究費の使用計画

計画していた欧州での発表および調査がアジア地域に変更になり旅費が減少、またシュミレーション分析の実施が遅れ、学生アルバイト代が減少した。
今年度は、欧州において、研究者との意見交換および成果発表を実施する。したがって、前年度の繰り越し分は、今年度に使用する予定である。

研究成果

(1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Privacy Invasion on a Portal Site: A Data Analysis and Policy

    • 著者名/発表者名
      Koji Domon and Michael Y. Yuan
    • 学会等名
      セミナー
    • 発表場所
      Multimedia University, Malaysis

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公開日: 2015-05-28  

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