地域所得データと家計調査データを用いて、インドネシアとフィリピンにおける地域間/都市農村間所得格差の分析を行った。家計調査データにより構築した地域パネルデータを用いたインドネシアにおける都市化と家計間消費支出格差に関する分析では、これらの変数の間で逆U字の関係があることが分かった。また、教育拡充と家計間格差の間にも同様な関係があることも分かった。一方、2次元要因分解手法を用いた1975-2009年のフィリピンにおける構造変化と地域間所得格差の分析によると、マニラ首都圏を含むルソン地域内の所得格差は総地域間格差の約85%を占めており、総格差を決定する主な要因となっていることが分かった。
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