日本では公的投資に多額の予算が使われており、その国民経済に与えるインパクトを正しく評価することは重要である。本研究は経済の状況を変える大きな出来事、特に公的インフラを大きく毀損する災害があった後における政策効果に焦点を当てた分析を行った。主な成果は次の3つである。(1)新しい理論モデルを構築し、ある条件の下では、災害後に公的投資がGDP等に与える効果がより大きくなることを示した。(2)新しいデータ分析の手法を開発し、公的投資の効果が近年大きくなってきていることを示した。(3)災害後には将来の政策に関する人々の予想が変わることから、その点を考慮した新たな政策効果の分析枠組みを提示した。
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