我が国の交通産業には社会厚生の観点からみて必ずしも望ましいとはいい難い市場構造が未だ存在する。交通政策は経済全体への波及効果が非常に大きいのでこれを最適化することは重要な政策課題であるとの視点に立ち、本研究では主として都市と地方を結ぶ複数の交通機関からなる広域の交通ネットワークにおける競争および市場構造の影響を明らかにするとともに、これらの交通機関が地域分割や上下分離などさまざまな形態で構造分離・民営化され互いに戦略的行動をとった場合の社会厚生の変化およびそこからの社会的最適の達成に必要な政策について、最近開発された計量経済学のツールを用いることにより分析した。
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