研究課題/領域番号 |
24530303
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
高塚 創 香川大学, 地域マネジメント研究科, 教授 (50304572)
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キーワード | 新経済地理学(NEG) / 企業立地 / 従量税 / 従価税 / 排出税 / 排出削減行動 / 貿易政策 / 現地資本規制 |
研究概要 |
今年度は前年度に構築したモデルを応用して,地域経済,環境政策および貿易政策への応用を中心に研究を遂行した.具体的には,輸送費と産業内競争度の異なる複数の産業が存在する二地域経済を考え,輸送費や通勤費が低下する中で産業立地がどのように変化するかを理論的に明らかにした.この研究成果については,Annals of Regional Science誌に発表した.また,同様のフレームを用いて,国税が産業の立地に与える影響について,従量税と従価税という課税方式,地域間均等配分と地域内均等配分という配分方式ごとに,どのように異なってくるのかを理論的に明らかにした.この研究成果については,日本経済学会およびPapers in Regional Science誌(掲載決定)に発表した.一方,環境政策に関しては,排出税の導入が産業立地および地域間格差に与える影響について,排出の削減行動を考慮した上で,理論的分析を行った.この研究成果については二件の国際会議において発表を行い,現在投稿論文を準備している段階である.最後に,貿易政策に関しては,貿易相手国(途上国)における現地資本規制(Local Equity Requirements; LERs)の緩和が,自国の経済成長や厚生に与える影響を分析した.その結果,①LERsの緩和は他国へのFDIを増加させ,成長率をU字型に変化させること,②LERsを活用することで他国は利潤を確保することができるが,LERsを十分に緩和させることは他国の厚生を高めることに寄与する,ということが明らかになった.この結果については,一件の国際会議において発表を行い,現在投稿論文を準備している段階である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」についても記したように,本研究課題の計画に従って,地域経済,環境政策,貿易政策の理論分析を前年度に構築したモデルを応用して行い,二本の論文を学術専門誌に刊行することができた(うち一本は掲載決定).したがって,おおむね順調に進展していると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
今後も本研究課題の計画に従って,貿易政策,環境政策,地域政策への応用を中心に研究を実施する.貿易政策については今年度もある程度は行ったが,次年度は関税を明示的に考慮した貿易政策の分析を行っていく.具体的には,最適関税に関する既存研究とは異なり,可動資本を導入し,それが最適関税の性質・決定要因,および関税競争による厚生損失に対してどのような影響を与えるかについて理論的に分析を行う.また,これまでに得られている理論分析結果についての実証を行うため,データの整備を一層進め,基礎的なデータ分析から行っていく.そしてその研究成果を国内外の学会・研究会で発表し,学術専門誌への投稿を順次進めていく.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額を残さないように使用してきたつもりであったが,意図せざる残金が発生してしまった(実際,170円という小額である). 170円という小額であるため,使用計画に大きな変更は生じない.
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