本研究課題は、ロシアにおける為替・金融政策が、ロシア経済に与える影響を分析することを目的としたものである。具体的には(1)金融政策の生産への影響、(2)原油価格・株価・為替レートの相互関係、(3)金融政策の波及経路としての銀行貸出チャンネルの存在に関する分析が行われた。 得られた成果のうち主なものは以下の通りである。(1)貨幣供給量M0のショックは、統計的に有意に生産を増加させ、また金利を低下させる、(2)原油価格は、2002年以降一貫してロシアの為替レートに影響を及ぼしてきた、(3)資本がより不十分な銀行は、貨幣供給量の変化により敏感に反応する傾向が見られた。
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