本研究では、企業内・企業間ネットワークがパフォーマンスに与える影響を分析した。(1)R&Dのスピルオーバー効果は企業間の距離とともに減衰する。(2)私的・公的R&Dのスピルオーバーは1990年代後半以降激減した。(3)取引関係によるR&Dのスピルオーバー効果は技術的・空間的スピルオーバー効果より強く、資本関係がある場合より強化する。(4)日本の自動車産業において、複数組み立てメーカに納品する企業ほど生産性が高く、その格差は拡大している。(5)部品のモジュール化は企業間関係の重要性を弱め、よりオープン化させる。(6)部分所有子会社は完全子会社に比べR&Dを活発に行い、よりイノバティブである。
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