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2012 年度 実施状況報告書

環境効率性と経済発展に関する実証分析-日本の経験と発展途上国-

研究課題

研究課題/領域番号 24530323
研究種目

基盤研究(C)

研究機関琉球大学

研究代表者

清水 政行  琉球大学, 法文学部, 講師 (60546133)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード環境効率性 / Hicks-Moorsteen生産性指数 / 環境クズネッツ曲線 / 経済発展
研究概要

平成24年度では、東・東南アジア諸国の経済発展について環境面からより詳細な評価を行うために、世界各国のマクロ・データを使用して、東・東南アジア諸国における環境効率性が他国・他地域と比較してどの程度異なるのかを実証分析し、世界的な位置づけを明らかにした。
具体的には、1990~2008年までの世界66ヵ国の時系列データと、2008年の世界88ヵ国のクロスセクション・データを使用して、地球温暖化と大気汚染を考慮したHicks-Moorsteen生産性指数を使用し、環境効率性の推計を行った。また、推計された環境効率性を使用して、1990~2000年代において環境クズネッツ曲線仮説が成立するか否かをパネル分析によって検証した。
その結果として第一に、欧米、オセアニア・東アジアの各地域では環境効率性は低いことが確認され、先進国が集中する地域においては経済成長というよりも環境汚染の抑制が進んでいることが示唆された。第二に、東欧、東南・南アジア、中東・北アフリカの各地域では環境効率性は高いことが確認され、発展途上国の中でも比較的経済発展が進んでいる地域においては、経済成長と環境汚染の抑制が同時に進んでいることが示唆された。第三に、1990~2000年代において環境クズネッツ曲線仮説は支持されることが確認され、地球温暖化と大気汚染を考慮した環境効率性と一人当たりGDPはU字型の関係が成立することが明らかとなった。
平成24年度の研究結果から、東・東南アジア諸国の中でも途上国段階に位置する国々においては、世界的にみて環境効率性が高くなっていることが確認された。平成25年度では、途上国段階にあった戦前の日本を対象とした研究を進め、その結果に基づいて他の東・東南アジア諸国との国際比較を行い、どの国がより望ましい経済発展を実現したのかについて研究を進めていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画であった日本と中国の環境汚染物質に関するデータセットの作成は進んでいるが、日本と中国を対象とした環境効率性の推計については当初の計画よりもやや遅れが生じている。遅れが生じている理由としては、平成24年度に東・東南アジア諸国における環境効率性の世界的な位置づけを明らかにする研究を行ったためである。

今後の研究の推進方策

平成24年度に引き続き、1)環境汚染物質に関するデータセットの作成を研究代表者である清水政行(琉球大学)が主に担当する。また、2)環境効率性の推計については連携研究者である森脇祥太(大阪市立大学)が主に担当する。平成25年度では、平成24年度中に完了しなかった日本と中国を対象とした研究に加えて、台湾と韓国を対象とした研究も同時に進めていく。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度においても、環境汚染物質の排出量を推計するために必要な各種公刊統計と研究に必要な参考文献を購入する必要があり、その費用として図書資料費を計上した。その際に、推計作業の中で多量のデータを扱うため、データ入力のための補助員に対する人件費を計上した。また、研究の進捗状況を確認するために、連携研究者と直接研究の打合わせができるように国内旅費を研究経費に計上した。さらに、国際会議などでの発表を行うために外国旅費を研究経費に計上した。最後に、各種英文学術雑誌への投稿・発表のために英文校正費と論文投稿費を予算に計上した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] An International Comparison of Environmental Efficiency (1990-2008)2013

    • 著者名/発表者名
      Masayuki SHIMIZU,Shota MORIWAKI
    • 雑誌名

      International Journal of Economic Policy Studies

      巻: Vol.7 ページ: 印刷中

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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