研究概要 |
金融論や経済成長理論の整理を行った。金融論については、まず通貨発行益(シーニョリッジ)について基礎的な知識を確認した。その後、van der Plong and Alogoskoufis (1994)、Parivos and Yip (1995)やHung (2005)を中心にサーベイを行った。文献調査の過程で新たにVarvarigos(2010)やC.-H. Lu et al (2011)の論文を検討した。 とくに、C.-H. Lu et al (2011)はサブサハラアフリカの国々を想定したキャッシュ・イン・アドバンス制約(CIA制約)のもとで、経済成長と平均インフレ率との負の関係を経済理論的に示している研究である。しかしながら、本研究が想定している通貨発行益(シーニョリッジ)が経済成長に与える効果については分析されていない。これらの結果は応募者自身が想定していた分析に対して補強できる内容であることを確認することができた。 経済成長理論においては、Kitaura (2012), Education, borrowing constraints and growth, Economics Letters, vol. 116(3), 575-578.などの成果を出すことができた。この論文は、教育資金における借入制約が経済成長にどのように影響を与えるのかを分析したものである。この成果は金融論との融合する際に有益な結果である。
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