最終年度は,インフレーションと経済成長との関係(平成24年度),および海外援助と経済成長の関係(平成25年度)について,統合的に分析することを目的に研究を行った。 まず,インフレーションと経済成長の関係であるが,経済成長のエンジンを公的資本と設定することで研究を進めた。これまでの公的資本と経済成長の関係は,主に1地域の分析が多かったが,本研究では,他地域に拡張することで,経済成長という観点から他の地域に,どのような影響を与えるのか分析を進めた。その結果は,論文「Regional Infrastructure and Economic Growth」として,国内学会でも報告済みである。しかしながら,インフレーションに対する知見については,さらに研究する必要があり,今後も進めていく予定である。 次に,海外援助と経済成長の関係であるが,こちらは,経済成長のエンジンを人的資本と設定することで研究を進めた。とくに,貧困削減に対する海外援助の動向に注目することで,研究を進めた。その結果は研究会で報告した後,現在,論文「Inequality and Conditionality in cash transfer」として執筆中である。今後は,国内学会や国際学会で報告する予定である。 発展途上国が経済成長を実現するための方向性については,「Inequality and Conditionality in cash transfer」にて提案する予定である。
|