期間延長をお認め頂いた本年度は、前年度にいったんは完成した論文を、海外ジャーナルに受理されるよう研究を深めて改稿し完成度を上げることに注力した。 台湾と中国が、相互の人材獲得に動いていることを裏付けるため、台湾政府が採っている新たな政策について調査したところ、台湾政府は中国人学生の受け入れに関して、当初採っていた「三限六不」という政策をかなり緩めてきたことが明らかになった。これは、台湾への中国人留学生は、卒業後に台湾企業への入社が期待される貴重な人材であると考えられているためとみられる。 一方で、海外企業も台湾人の獲得に動いており、台湾において人材募集する海外企業が急速に増加し、またその種類も変わってきていることが明らかになった。例えば日本の場合、当初は日本企業が台湾に子会社を設立するための人材募集がほとんどだったが、4,5年前から、台湾人を日本本社で働かせたい、という求人が増加しており、これが台湾からの新たな労働移動を引き起こしていることが明らかになった。 研究を深め改稿した結果、海外の査読ジャーナルに受理され、掲載された。
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