研究課題/領域番号 |
24530343
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
中村 恒 一橋大学, 大学院商学研究科, 准教授 (80418649)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | リスク管理 / 情報開示 / 資産価格 |
研究概要 |
平成24年度は、まず、米国ワシントンDC・ボルティモアに研究出張し、国際通貨基金(IMF)を訪問し国際金融市場における金融危機や財政危機に関して問題点や金融監督規制の最先端を調査し、国際情報交換・研究討論を行った.また、ボルティモアのジョンズ・ホプキンス大学ビジネススクールを研究訪問し国際情報交換を深め、本研究の宣伝と改善の成果を得た.この結果、以下の研究成果が得られている. 第一に、A Continuous-Time Analysis of Optimal Restructuring of Contracts with Costly Information Disclosureを査読ジャーナルに発刊し、更にA Continuous-Time Optimal Insurance Design with Costly Monitoringを一橋大学商学研究科ワーキングペーパーとして完成させ、(1) APRIA 16th Annual Conference (July 2012)、 (2) 12th SAET Conference on Current Trends in Economics (July 2012)等の国内外の国際学会に出張し、研究発表・討論を行い論文改善し、現在英文査読ジャーナルに投稿中である. 第二に、Optimal Risk Sharing in the Presence of Moral Hazard under Market Risk and Jump Riskを一橋大学商学研究科ファイナンス研究センターワーキングペーパーとして完成させ、2013年APRIA年次総会と2013年ARIA年次総会に論文発表が採択された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ当初計画通りに進んでいる.具体的には、国際通貨基金(IMF)の国際研究機関を訪問し国際情報交換・研究改善を行い、また、国内外の国際学会(APRIA,SAETなど)に招聘され論文発表を行い、本研究プロジェクトを国際的に宣伝しながら論文改善を行った.この結果、A Continuous-Time Analysis of Optimal Restructuring of Contracts with Costly Information Disclosureを査読ジャーナルに発刊し、また、ワーキングペーパーとして2つの論文、即ち(1)Optimal Risk Sharing in the Presence of Moral Hazard under Market Risk and Jump Risk、(2)A Continuous-Time Optimal Insurance Design with Costly Monitoring,を完成させ、英文査読ジャーナルへ投稿している. 唯一当初計画が変更されたのは、米国連邦準備制度理事会への研究訪問をできなかったことである.これは欧州財政危機や金融危機による米国経済低迷、そして米国大統領再選の下で、先方の繁忙度が極めて高く、当方の出張と日程調整が不調に終わったことに起因する.しかし、このような政治的不確実性も想定の範囲内であり、さらに代替策として国際通貨基金(IMF)で金融危機・財政危機に関する重要な現地調査を行うことができた.また、もし先方との都合が合えば、平成25年度に現地調査・資料収集のために米国連邦準備制度理事会を訪問する.
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今後の研究の推進方策 |
これまでと同様に、当初計画を推進する.すなわち上記の2つのワーキングペーパーについて国内外の国際学会で発表を行い、また、国際研究機関や日欧米の有数な大学を研究訪問し、研究討論を行い研究成果を宣伝しながら研究の改善を行い、最終的に英文査読ジャーナルでの発刊を実現する. さらに当初の計画に従って、24年度までの研究を資産価格モデルに発展させる.とくに新たな論文としてHisashi Nakamura, Equilibrium Asset Pricing with Moral Hazard under Market Risk and Jump Riskを執筆中であり、これを完成させ海外学会での発表や国際的に大学・研究機関訪問を行う.とくに、数値計算や実証文分析に発展をさせる.
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次年度の研究費の使用計画 |
まず、数値計算を進めるうえで研究室のコンピュータを45万円程度で購入する. 次に、2013年7月27日から8月9日まで、上記論文をARIA(American Risk and Insurance Association)年次総会、APRIA(Asia-Pacific Risk and Insurance Association)年次総会に研究招聘されて研究発表するために米国ニューヨークとワシントンDCへの出張費が80万円程度必要となる. また、平成24年度には、当初計画と異なり米国連邦準備制度理事会への研究訪問をできなかったため未使用額が生じた.これは欧州財政危機や金融危機による米国経済低迷、そして米国大統領再選の下で、先方の繁忙度が極めて高く、当方の出張と日程調整が不調に終わったことに起因する.平成25年度には、先方との都合が合えば、現地調査・資料収集のために米国連邦準備制度理事会を訪問する.
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