研究課題/領域番号 |
24530343
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
中村 恒 一橋大学, 大学院商学研究科, 准教授 (80418649)
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キーワード | リスク管理 / モラルハザード / 情報開示 / 資産価格 / システミックリスク |
研究概要 |
平成25年度は、まず、平成24年度に一橋大学商学研究科ファイナンス研究センターワーキングペーパーとして公表していた論文Optimal Risk Sharing in the Presence of Moral Hazard under Market Risk and Jump Riskを、米国ニューヨーク市のSt.Johns UniversityでのAPRIA学会年次大会で発表し、続いて米国ワシントンDCに移動してARIA学会年次大会で発表した。ワシントンDCでは米国連邦準備制度理事会、国際通貨基金とFDICを、資料収集のために訪れた。一方、国内では日本金融学会第70回春季大会で発表した。さらに、愛知学院大学で開催された日本保険学会年次大会に出張し、参加者と研究討論を行った。 また、論文A Continuous-Time Optimal Insurance Design with Costly Monitoringが英文査読ジャーナルAsia-Pacific Financial Marketsに発刊され、論文Optimal Risk Sharing in the Presence of Moral Hazard under Market Risk and Jump Riskが英文査読ジャーナルJapannese Journal of Monetary and Financial Economicsに発刊された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ当初計画通りに進んでいる。具体的には、ワーキングペーパーとして平成24年度に完成していた2つの論文、即ち(1)Optimal Risk Sharing in the Presence of Moral Hazard under Market Risk and Jump Risk、(2)A Continuous-Time Optimal Insurance Design with Costly Monitoring、がそれぞれ英文査読ジャーナルに発刊された。
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今後の研究の推進方策 |
これまでと同様に、当初計画を推進する。具体的には、上述の2つの論文を資産価格モデルに拡張する論文を執筆し、国内外の国際学会で研究発表を行い、また、国際研究機関や日欧米の有数な大学を研究訪問し研究討論を行って、研究の改善を行う。最終的には英文査読ジャーナルでの発刊を目指す。さらに、より一般的なモデルに拡張することによって、解析的な厳密解は失われるものの、数値解析モデルを用いて精緻な数値解を導出し、より現実的なインプリケーションを追究する計画である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成26年度使用額が生じたのは、平成25年度の研究発表について、夏期の国内出張が可能な時期に、当初計画に比べ海外での研究発表に多く採用され海外に長期間滞在したため、国内での出張が時間的に制約され、国内出張回数が当初計画より少なかったことが理由として挙げられる。しかし、この点以外は、概ね予定通りに旅費と物品への支出が行われた。 現在執筆している新論文に関して国内外で討論・発表を行うため、平成26年度使用額を出張費の支出の一部に使用する計画である。
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