地球環境問題を含めた国際公共財供給問題において、「公共財の望ましい供給(すなわち環境外部性の内部化など)が政治的に可能か」という政治経済問題を取り扱った。各国の政策の代替性・補完性の程度によって、「戦略的委任」の在り方が定性的に異なり、また既存研究では取り扱われなかった、非対称均衡の存在とその性質を明らかにした。また、小国と大国が租税競争を行う状況において、資本需要関数の傾き(資本の限界生産性の逓減度合い)ではなく資本需要のレベル(資本需要関数の切片)の違いで国のサイズの違いを定式化すると、大国が先に政策決定することがリスク支配均衡およびパレート支配均衡となることが示された。
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