本研究は債券の価格とCDSの保障料に関する学習効果を考慮した理論式を導き実証を行った。経済の基礎的条件の期待成長率に関して情報の非完全性から正確な観測が不可能になるためその評価(学習)が必要となる。合理的な学習方法としてベイズ統計に従う方法、非合理的な学習として、保守的、短絡的、楽観的、悲観的な学習方法をモデルに応用した。
債務不履行のリスクのある債券収益率のボラティリティに関して観測値が示す平均回帰性が学習効果の時間変動より説明できることを証明した。またリスク回避度の合理的な値でモデルから得られる信用スプレレッドが観測値に近い値を示したが、CDSスプレッドは観測値に比べ幾分小さな値となった。
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