本研究は、住環境の保障という政策課題について、低負担・低福祉国家アメリカの住宅政策と、高負担・高福祉国家デンマークの住宅政策と対比させながら、中央政府・地方政府間の財政関係と、住宅供給を担っている非営利組織への補助金や規制政策を明らかにした。本研究では、アメリカ・デンマークの両政府の担当者や住宅供給を担う非営利住宅供給組織へのヒアリング、悪化した住宅団地への実地調査に基づいて、住宅問題の本質とソーシャル・ミックスに向けた取り組みについて明らかにした。本研究は、現代資本主義国家における住環境の保障に関する総合的な研究として、学術的な議論を深めることに貢献した。
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