第一に、個別銀行の財務、株式データを用い、銀行が預金保険制度にリスクを転嫁するモラルハザードに陥ってること、適切に設計された公的資金の自己資本の不充分な銀行への注入によりリスク転嫁が緩和されたことがわかった。 第二に、国際金融市場におけるショックの国内中小企業への伝播について、エマージング国の上場大企業、及び、未上場中小企業の財務、企業情報のデータセット整備中であり、その完成後に、実証分析を開始する。 第三に、日本において、1997年度に自己資本不充分により融資を大幅に削減したメインバンクを持つ企業ほど1997年12月からの16ヶ月間に中小企業金融公庫からの借入額が大きかったことがわかった。
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