研究課題/領域番号 |
24530361
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
鈴木 伸枝 駒澤大学, 経済学部, 准教授 (90365536)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 自発的継続ゲーム / クラブ財 / 国際公共財 / 囚人のジレンマ / 離脱可能性 / 繰り返しゲーム |
研究実績の概要 |
環境問題,安全保障,資源問題といった問題への対策の必要性が高まるのに応じて,従来から互いをよく知る近隣国のみでなく,これまで疎遠であったグローバルな相手と寄り集まって小規模な国際組織を形成し「問題の解決」という公共財(クラブ財)の供給を試みるケースは今後ますます増えるであろう.このような国際組織の提供する公共財(クラブ財)の特色のひとつは,橋や道路などの多くの国内公共財とは違って毎年成果を得るためには毎年の貢献が必要になるので,1回限りのゲームではなく「繰り返し」が発生することである.しかしながら,繰り返しといっても,ひとたび国際組織を形成してしまえば固定された加盟国間で自動的に無限回繰り返しゲームがプレイされるわけではなく,加盟国が裏切った上で離脱してしまう可能性がある.国際連合のように強大な権限をもつ国際組織は稀で,現状の多くの国際組織は非協力的な国に対して経済制裁等の十分な処罰を与えることはできない.ま してや既に離脱してしまった国を処罰することは事実上不可能である. 本研究では「繰り返し」「離脱可能性」を伴う囚人のジレンマおよびクラブ財のモデルを構築し,クラブ財を供給するグループ内での協力行動や欠員について分析している.本年度は特にマッチングの摩擦と欠員の充足の関係についての理論的分析において進展があった.得られた結果はAsia Pasicic Economic Association や Asian Meeting of the Econometric Societyの国際大会および日本財政学会全国大会にて報告した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
体調不良により,本年度後半に予定していた英文校正及び海外での研究(期間中2回の研究会報告を含む)などをキャンセルし,11月以降に開催される国際会議への論文投稿も見送った.このため,英文学術雑誌への論文投稿が遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られた結果まとめた論文を,国際会議や国内外の研究会での報告を経て改訂し,英文校正を受けた上で英文学術雑誌に投稿する.
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次年度使用額が生じた理由 |
体調不良により,平成26年度に予定していた英文校正,国際会議での論文報告及び台湾での研究(期間中2回の研究会報告を含む)をキャンセルした.そのため未使用額が発生した.
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次年度使用額の使用計画 |
本年度予定していた英文校正,国際会議参加及び海外での研究を次年度に行うこととし,未使用額はそれに係る費用に充てることとしたい.
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