世界の証券市場は高速化の進展で劇的な変革期を迎えている。高頻度取引業者(HFT)の存在感の上昇は、市場の価格形成や流動性にとってよい影響があるのか、悪い影響なのか、多様な視点から分析した。本研究の結果を総合すれば、日本の株式市場においてもHFTの影響は、価格発見や流動性にプラスの効果を発揮している。取引所外取引の発展や東京・大阪両証券取引所の合併などで市場間競争が促進され始めた。金融危機時にどのマーケットでも経験する流動性の枯渇は、日本の株式市場も例外でなく、この緩和についてなにができるかの検討が必要である。また、証券市場多様化のひとつの方向として、クラウドファンディングについて分析した。
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