研究課題/領域番号 |
24530371
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研究機関 | 金城学院大学 |
研究代表者 |
中村 正治 金城学院大学, 生活環境学部, 教授 (30350953)
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研究分担者 |
中川 覃夫 愛知工業大学, 経営学部, 教授 (60076544)
近藤 仁 南山大学, 経済学部, 教授 (60121456)
中山 惠子 中京大学, 経済学部, 教授 (90207944)
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キーワード | 数理ファイナンス / 確率過程 / 不完全情報 |
研究概要 |
平成25年度は,不完全合理的期待を仮定した債券価格評価に対する金利水準の変動のインパクトと考える累積損傷モデルにおけるパラメータ特性の相互関連性のデータ収集など研究環境の整備を行うとともに、関連文献のサーベイや基礎的分析を行った。代表者中村は文献調査を行い分析手法について検討した. また,不確実性の市場における,獲得した情報をどのように債券価格の期待形成に利用されているかの分析の検討を行った.特に,確率過程の応用面における本研究に関連する累積損傷モデルの適用について,評価関数のパラメータにおける市場状況の情報利用を考慮した.これらの成果を日本オペレーションズ・リサーチ学会,電子情報通信学会で研究発表を行なった.海外の国際学会や国際会議でも成果を積極的に発表し十分な成果を上げることができた.またこれらの成果を幅広く海外の学術雑誌, Nakamura, S., Zhao, X., Nakagawa, T., 2014. Optimal number of web server resources for job applications. International Journal of Industrial Engineering. (SCI,EI)など発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理論と実際の運用上での数値の差違が生じる原因の追求が計画通り進行していないため,インパクト関数への反映を図る支援機能などの構築に至っていない.したがって,24年度の事例調査,FSCMシステム設計をふまえて,理論の実行性,並びに,FSCMシステムの本機能の効果・実証分析・整理に至っていない. また,企業の投資行動の不完全合理的期待における累積損傷モデル(D.R.Cox[1962])の適用のためのパラメータ・マッチング方法において,実証分析と分析結果に大きな相違が生じた場合,金利水準が債券価格評価に与える影響を他の計量モデルと比較検討する.
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今後の研究の推進方策 |
金利水準が債券価格評価に与える影響がモデルによってフィッテイングしない場合は,累積損傷モデルの状態変数の確率過程をマルコフ過程と想定して,単純なシングルファクターのモデルに変更する. 計量経済モデルにおいても,金利水準に特定の分布型を仮定しない分析方法を適用する.特に,非線形最小二乗法を用いて予測を行い,確率モデルとの推計の差について明らかにする. 理論をシステムとしてコーディングする場合,特に計算精度が重要になる.計算結果のスループット時間と計算時間はトレードオフの関係になっており,計算時間においては計算の簡便補による時間短縮を図る. また,モデルのFSCMシステム化においては,金融機関にヒヤリングをして,協力を得ることによりエンドユーザにもわかりやすいシステムを構築する.
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次年度の研究費の使用計画 |
分担者1名は,当該年度に学会開催の幹事に当たっていたため,当該分担研究が進まず,分担金を計画的に使用できなかった. 次年度にむけて,分担された研究,特に計量経済の面からの検討を進める.
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