1990年代以降、日本経済が長く低迷した背景には、経済環境の変化が企業行動に変化をもたらしたことがあると考え、日本企業の設備投資・研究開発投資の変化とその要因を分析した。その結果、①1990年代以降、日本企業は、企業価値への貢献は考えずキャッシュフローがあれば設備投資するという行動から、企業価値を高める投資を選んで行うようになった。②①の変化には、海外投資家の日本企業株式保有の増加が影響を与えている。③研究開発投資も、減税によるインセンティブ効果は小さく、むしろ企業の経営状況に左右されることも明らかとなった。
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