研究課題/領域番号 |
24530380
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
三川 敦 福山大学, 経済学部, 准教授 (60239283)
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研究分担者 |
塚原 一郎義治 (塚原 一郎) 福山大学, 経済学部, 准教授 (80550996)
古市 雄一朗 福山大学, 経済学部, 准教授 (40551065)
久松 太郎 神戸大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (60550986)
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キーワード | ファイナンス / 投資意思決定 |
研究概要 |
次の2回の研究会を開催し、報告を行った。 「第1回『基盤研究(C)公表情報が証券市場における投資家の意思決定に与える影響』福山大神戸大合同ミーティング」(5月31日~6月1日)(福山大学三蔵キャンパス/福山大学宮地茂記念館)。報告者:小葉武史(神戸大学大学院経済学研究科講師)(招待講演)。タイトル:「CSRデータを活用した企業間の異質性コントロールに関する研究」。概要:公表情報が株価によって表明される投資家の意思決定に与える影響を検討するためには、企業レベルの個票データを用いて、企業間に存在する異質性をコントロールすることが欠かせない。個票データ(日経NEEDS-FQ,東洋経済CSRデータ)を用いた実証分析例について報告を行った。報告後、本研究の遂行にあたって、どのような企業間の異質性をコントロールすべきであるかについて議論を行い、必要なデータとその入手可能性について検討した。 「第2回『基盤研究(C)公表情報が証券市場における投資家の意思決定に与える影響』福山大神戸大合同ミーティング」(2月12日)。報告者:塚原一郎(福山大学経済学部准教授)。タイトル:「環境配慮行動と企業価値についての分析」。概要:福山大学経済学論集に投稿した三川・塚原・古市「環境配慮行動と企業価値についての分析」の特に推定部分について説明した。被説明変数は株価、説明変数は会計情報と環境配慮行動の有無に関する情報であり、7年分東証一部上場企業のデータを用いてパネル分析を行っている。そこで、パネル分析を期間を分けて行い、例えば、東日本大震災の前後での影響力の違いを分析するのもよいのではないか、というようなコメントを受けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国内について:平成24年度に引き続きパネル構造などの推定(塚原、三川)を行い、使うデータなどを変えて分析を継続中である。 日米欧比較について:米国の証券市場についての分析を行うにあたって、米国へ情報収集(塚原、古市)を目的に出向き、PCAOB(公開会社会計監査委員会)のニューヨーク事務所においてUSCPAであるMr. ISHIBASIにインタビューを行った。証券市場における監査情報の取扱について、見解を聴くとともに、これまでの研究成果についての報告を行い、意見交換を行った。さらに、コロンビア大学において資料収集を行い、日本国内において入手が難しい資料を入手し今後の研究に必要な文献調査を行った。しかし、米国の証券市場との比較分析はまだ完了しておらず継続中である。 企業価値と株価についての歴史的考察について:神戸大学へ異動した久松が、わが国における気鋭の日本経済史研究者である高槻泰郎神戸大学経済経営研究所准教授の協力を得ながら、江戸時代日本における投機家の行動について、本研究にかかわる研究を行っている(継続中)。 また、塚原と久松は、「第1回『基盤研究(C)公表情報が証券市場における投資家の意思決定に与える影響』福山大神戸大合同ミーティング」、久松は、「第2回『基盤研究(C)公表情報が証券市場における投資家の意思決定に与える影響』福山大神戸大合同ミーティング」のセッティングを行った。今年度は、小葉武史神戸大学大学院経済学研究科講師を研究協力者としてむかえ、さまざまな助言とコメントをしていただいた。 自己点検評価を「やや遅れている」にしているが,米国の証券との比較などを行い分析を完了する予定であったが、分析までは済んでおらず継続中であるためである。
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今後の研究の推進方策 |
塚原、古市が米国で収集してきた資料・情報を使い、日米欧比較についても分析を進める。次年度より続けられてきた研究会・ミーティングの名称を「『基盤研究(C)公表情報が証券市場における投資家の意思決定に与える影響』研究会・ミーティング」と変更の上、随時開催する。実施場所については、福山大学(広島県)を中心として、関西地区ならびに関東地区の大学・研究機関でも開催を予定している。その他の研究会でも成果報告を行い、ディスカッション・ペーパーを作成し、論文を投稿する予定である。また、久松の分担研究(高槻泰郎神戸大学経済経営研究所准教授との共同研究)は、まずディスカッション・ペーパーの形で提出し、その後、研究会もしくは学会での報告、査読付き雑誌への投稿を予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は代表者の三川が約31万円、分担者の塚原が約3万円,古市は約5万円,久松は約23万円の計62万円である。塚原・古市の両名は概ね計画に沿って研究をしているが、久松は神戸へ異動になり研究資料収集のための出張計画などが変更となり、初年度の約30万円が残ったため、その分,少し多目に残る形となった。代表者の三川は、本務の仕事が予想以上に忙しく、データ整理や分析が予定通りできなくそれがチーム全体の遅れとなってしまった。 平成26年度は、打ち合わせやセミナー、研究集会などで成果報告を精力的に行いたいと思う。また、成果報告、あるいは打ち合わせで携帯が便利になったタブレットとプロジェクターを使用する予定である。そして、本研究の内容をテーマにしたセミナーや研究集会を開催し、関係する分野で活躍する研究者との情報交換などを図る。その際、平成25年度において久松が分担金で小葉武史神戸大学大学院経済学研究科講師を講演へ招待したように、26年度も同様に、研究力者の招待費用を支出する予定である。したがって、平成26年度の予算と合わせての使用計画は次の様になる。 物品:245,293円(タブレット、モバイルプロジェクター、アクセサリー、USBなど)、旅費:1,362,000円(成果報告・研究打ち合わせ、招待講演)。計:1,607,293円
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