研究課題
基盤研究(C)
■本年度は、仏語圏世界の植民化と脱植民化を分析するための資料収集と資料整理、そして学会報告の第一段階を行った。■資料収集としては、仏英日語文献を購入した。また、ラオス国立文書館とカンボジア国立文書館で仏植民地経済団体(商工会議所)の1次資料を収集し、南ラオス商工会議所初代会頭の逝去直後の資料保全を行った。資料整理として、2次文献と1次史料をあわせてデータベース化を開始した。コンゴ民主共和国人研究協力者は、日本人には外務省危険情報が発令されている母国コンゴとザンビアで、国策鉱山会社(Gecamines社、Sodimico社およびZCCM社)の1次史料を収集した。■経済システム比較の延長として、社会経済史学会北海道部会ではエスニックビジネス、政治経済学・経済史学会北海道部会では産業革命、経営史学会北海道WSでは流通について報告し、意見交換を行った。また、仏英日語文献および収集資料の整理を兼ねて、アーカイブ論のディスカッション・ペーパーを書いた。これは仏語圏のうちインドシナ3ヶ国、北アフリカ3ヶ国、そしてサハラ以南アフリカ2ヶ国の史料構造を比較し、次年度以降の研究の基盤とするものである。■コンゴ人研究協力者は、4th International Toxicology Symposium(University of Zambia)とサステナビリティ学生研究ポスターコンテストで報告し、学際的なアプローチで学会論文を投稿した。加えて、研究代表者と共著で資源論についてディスカッション・ペーパーを書いた。これら一連の調査と発表は、仏語圏の植民化・脱植民化の連続性を考える基盤となるものである。
2: おおむね順調に進展している
■2013年1月、アルジェリアで日本人のテロ犠牲者が多数出た。アルジェリアは本研究の対象領域でもあり、外務省危険情報は他の旧フランス領アフリカにも発令された。そのため、調査出張先をアフリカから旧フランス領アジアに切り替えた。逆にアジアに出張したことで、ラオスの情報提供者の逝去の直後の資料確保を行えた。■コンゴ人研究協力者(文科省奨学金博士院生)は、ザンビアで国際学会報告の機会を与えられたため、当初予定の日本国内調査に代えて、本来の調査対象であるコンゴで現地調査を行った。■また、マダガスカル人研究協力者(文科省奨学生)が、修士号取得後に博士課程に進学するはずが、入試不合格となった。しかし、別のマダガスカル人文科省奨学生を受け入れ、次年度以降の分担研究が可能となった。
■仏語圏・植民化・脱植民化に関する仏英日語文献を収集し、データベースを作る。■加えて、インドシナとアフリカにおいて1次史料の収集を行う。ただし、本研究が対象とするアフリカは、外務省危険情報が発令されているため、それが解けるまでは現地調査を避ける。コンゴ人共同研究者に調査を委託したり、インドシナや宗主国(フランス・ベルギー)に調査先を変える可能性がある。■ディスカッション・ペーパーの発表と国内外の学会報告を繰り返し、論文投稿を目指す。学会報告としては、日仏経営学会全国大会、アジア政経学会全国大会、Association of Business History年次大会等、複数回を予定している。研究代表者はコンゴ人研究協力者をリサーチ・アシスタントに任命し、共著での論文投稿を目指す。
該当なし
すべて 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)
Discussion Paper in Economics and Business Administration, Hokkaido University
巻: Series B, 2013-111 ページ: 1-11
巻: Series A, 2013-256 ページ: 1-18
Japanese Journal of Veterinary Research
巻: 61-S ページ: 23-32
クオリティ
巻: 7月号 ページ: 180-181