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2014 年度 実績報告書

近代北西ドイツ農村社会の地域管理と大農寡頭制

研究課題

研究課題/領域番号 24530386
研究機関小樽商科大学

研究代表者

平井 進  小樽商科大学, 商学部, 教授 (30301964)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード経済史
研究実績の概要

本年度は、18・19世紀前半の北西ドイツ北海沿岸地方について、主に東部のエルベ河口湾周辺に位置するハーデルン地域の高地地区における農民的上層の土地保有の実態や社会的関係のあり方、教区役職者の選出に関する未調査部分を中心に調査研究を行った。そのため、現地文書館と連絡して史資料の情報や複写を入手し、授業休業期間中には州立シュターデ文書館、クックスハーフェン郡文書館、同市立文書館やハンブルク大学図書館などを訪問した。それらの結果主に以下の諸点が判明した。第1に、1813年以前にホーフ解体が生じ得たことが確認され、1826-1852年の一部教区をみる限り土地移動は活発で相続と売買が入り交じり件数的に両者とも小地片が多かった。第2に、北ドイツ諸大学の在籍者に地域内農村教区の出身者が確認された。また、農村教区で、市民・商工業者による農地保有と少数ながら商工業者の教区役職就任が確認された。第3に、教区役職者選出について一部教区をみる限り、保有者が何度も役職に就くホーフや家族名は存在したが、役職が特定のホーフや家系に固定されていたわけではなく、教区が推薦した候補者を地方官庁は実際に審査しており、領邦当局と教区が対立して最終的に前者の主張が後者に受け入れられた例も存在した。
昨年度までの調査研究と併せて本研究では、特に18・19世紀前半のハーデルン地域(高地地区)に関して、第1に農民的上層の土地保有は領主制・共同体的制約からほとんど自由で居住地区をしばしば越えたが一定の流動性をもち、第2に農民的上層家族は姻戚関係で広く相互に結びついていたが市民層とも社会的に近かったと考えられ、第3に地域指導層は基本的に農民的上層を基盤として自己補充されたが、領邦当局の制約も受け得た、などが明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 書評:藤田幸一郎『ヨーロッパ農村景観論』2016

    • 著者名/発表者名
      平井進
    • 雑誌名

      歴史と経済

      巻: 未定 ページ: 未定

  • [学会発表] 土地利用とヨーロッパの多様性2015

    • 著者名/発表者名
      平井進
    • 学会等名
      社会経済史学会関東部会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2015-01-25
  • [学会発表] 18・19世紀初頭のドイツ北海沿岸低湿地農村:環境・土地保有・水管理(パネルディスカッション「近世後期越後平野 における割地制度:ドイツ史からのコメント)2014

    • 著者名/発表者名
      平井進
    • 学会等名
      社会経済史学会第83回全国大会
    • 発表場所
      同志社大学
    • 年月日
      2014-05-25

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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