戦後日本の地域の「福祉社会」形成過程は、医療・保健と生活改善の連携を特徴とする。本研究では東北日本の岩手県を主たる対象地とし、比較の目的で西日本の岡山県を加えて、戦後における地域の「福祉社会」の形成過程の基礎的実証研究を目指した。岩手県では、岩手県庁や岩手県国民健康保険団体連合会などで本格的な調査研究と保健婦の聞き取りを行って医療・保健の実証研究を進め、生活改善については北上市和賀町で生活改良グループや生活記録について実証研究を進め、医療・保健と生活改善の関連を実証的に明らかにした。岡山県では予備調査をふまえ、岡山県庁や岡山県立記録資料館などで調査研究を進め、岩手県との比較を行った。
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