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2012 年度 実施状況報告書

通貨から視る西アフリカ地域経済の分断と世界経済への統合:19・20世紀

研究課題

研究課題/領域番号 24530394
研究種目

基盤研究(C)

研究機関金沢大学

研究代表者

正木 響  金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (30315527)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード通貨 / 西アフリカ / インド産綿布 / フラン圏 / スターリング圏
研究概要

通貨を媒介としながら、「西アフリカ地域経済の分断と世界経済への統合」について研究している。具体的には、西アフリカの通貨が「自然通貨→商品貨幣→植民地通貨→独立後に導入した通貨→地域共通通貨」へと移行する過程で、西アフリカ地域経済が世界経済や宗主国経済に統合されながら、他方でローカル経済が分断されていくさまを明らかにすることを試みている。このうち、本研究期間では、特にこれまでの研究でカバーできていない商品貨幣と、英仏両地域の植民地通貨についての研究を行う予定である。
今年度は、英仏両地域の植民地通貨について広く文献を収集し、大きな概要についてまとめるとともに、西アフリカで通貨として用いられていた子安貝やインド産綿布について調査した。もっとも西アフリカの子安貝についてはすでに広く研究されており、それを経済学で議論されている貨幣の概念や貨幣の役割に照らし合わせて考察するという形で、今年度からスタッフに加わった博士課程教育リーディングプログラム「文化資源マネージャー養成講座」の教材論文として"Cultural Resource Studies and Economics:An Essay from the Viewpoint of Indigenous Moneys in Pre-Colonial West Africa"という形でまとめた(未公刊)。他方、インド産綿布についてはフランスの公文書館で一次資料を集めるに終わった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

他の補助金もいただいていること、また、外部から依頼された研究や翻訳の仕事が重なりそちらを優先することになったため本研究の進捗状況は遅れ気味である。来年度以降、巻き返しを図る予定である。
初年度ということもあり、研究資料を集め、読むことに専念したため、研究成果としては、教育目的で学内配布の冊子向けにまとめた英文論文以外にめぼしい成果はだせていない。

今後の研究の推進方策

25年4月および5月に行う海外調査で、19世紀の公文書や未公刊論文および、フランス-植民地間交易の統計を入手する予定である。また、同年9月に、フランスとセネガルの公文書館を訪問する予定である。成果としては、同年10月に開催される経済史関係の研究会で発表させていただくことが既に決まっている。また、25年度中に、インド産綿布と西アフリカの経済関係に関する論文を少なくとも1本まとめる予定である。なお、これについては、26年度から27年度にかけて、国際学会での発表や国際ジャーナルへの投稿につなげたいと考えている。
英仏両地域の植民地通貨については、旧仏領西アフリカの中央銀行制度と旧英領西アフリカのカレンシーボード制度の違いについて、25年度から26年度にかけて一次資料や先行研究を参照にまとめるとともに、両地域に導入された金融制度の相違が、英仏両国の植民地統治やそれぞれの地域経済に与えた影響、加えて将来に予定されている西アフリカ共通通貨実現の可能性などに繋げて考察する予定である。

次年度の研究費の使用計画

・本研究は4年間で実施する予定であるが、当初より1・2年目に多めに予算を組んでいたことに加えて、初年度は、他の研究費にも恵まれたため約36万円ほどの残額が出た。また2年目に相当する次年度も約140万円の予算が配当される予定である。他方で3年目、4年目の予算は大幅に減るため、今年度の残額は、むしろ3年目、4年目に使用する予定である。次年度の使用計画は以下のようになる。
・4月、5月および9月に実施予定の海外調査(インド、フランス、セネガル)および10月に予定されている研究会発表の旅費
・西アフリカの通貨およびインド産綿布に関する書籍や資料購入
・IT機材および周辺機器の購入
・英語論文の英文校閲費用および研究成果発表のための図表作成費

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 正木響研究室

    • URL

      http://toyomumasaki.w3.kanazawa-u.ac.jp/

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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