明治後期から昭和戦前期にかけての日本の工業化・都市化という変換過程のなかで、日本社会に暮らす人々が受けた様々な影響を、村落に暮らす農家および都市に居住する労働者世帯にいきた乳児や妊産婦を中心に、それを取り巻く生活環境とそこに強く影響する疾病環境が相互にどのように変化し、その累積過程の中で、乳児死亡率、妊産婦死亡率、および疾病死亡率にいかなる変化が現れたのかを、それぞれの世帯の特徴をみながら、日本の地域別(農村都市別と都市内地域別)そして工業形態別(綿絹織物業や農村工業を中心に)に観察、分析するのが本研究の全体像である。
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