本事業の目的は、1875年に設立されたインドの証券取引所が1920年代初頭機能不全に陥り、1990年代に至るまでその機能を回復しなかった原因を、機能不全に陥った1920年代初頭までのインド証券取引所の機能のありようを解明することで、明らかすることである。考察を通じ、証券取引所の機能を担保する、私的・公的なルールの構築に失敗したことが、証券取引所の機能不全の原因であったことを明らかにした。なお、本事業は、考察にあたり、最新の経済制度論、並びにインド最大の証券取引所が存在するボンベイのマハラシュトラ州立公文書館の資料を集中的に用い、詳細かつ分析的な考察を行ったたところに、研究の独創性がある。
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