研究課題/領域番号 |
24530407
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
榎 一江 法政大学, 大原社会問題研究所, 准教授 (90466813)
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研究分担者 |
五十嵐 仁 法政大学, 大原社会問題研究所, 研究員 (20193170)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 戦時期 / 労働組織 / 産業報国会 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、法政大学大原社会問題研究所所蔵の産業報国会関係資料(桜林資料)にもとづく調査研究を進めるとともに、その下部組織となった労働科学研究所旧蔵資料の調査を行った。 6月には、スペイン・バルセロナ自治大学で開催されたグローバル・レイバー・ヒストリー・ネットワークの立ち上げに参加し、戦時労働組織の国際比較を含む本研究について意見交換を行った。 なお、労働科学研究所が移転と図書室の廃止を決定したため、急きょ暉峻義等関係資料および戦前期資料群を受贈することになった。これら資料は、存在が知られていないか、利用できる状態になかったもので、法政大学大原社会問題研究所への移管によって、本研究の可能性はさらに開けることになった。 労働科学研究所所長であった暉峻義等の関係資料においては、医学書を含むドイツ語資料が多かったため、ドイツ史の専門家による整理を進めている。また、戦前期資料群に関しては、量が多く学内他部局に別置している状況で、全容を把握するのに時間がかかるため、補助期間の1年延長を申請した。今回、新しい資料群によって下部組織の検討が可能となり、戦時期において労働者の日常がどのように再編されていったのか、より重層的な研究が可能となった。そのため、経済史のみならず政治史、法制史、女性史等を専門とする若手研究者との共同研究を企画し、「戦時期の労働と生活」に関する共著を刊行する準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、平成27年度で完結する予定であったが、補助期間の延長を申請し、平成28年度までとした。これまで利用できなかった労働科学研究所旧蔵資料の利用が可能となり、その分析を本研究に加えたためである。
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今後の研究の推進方策 |
補助期間を1年延長し、産業報国会の下部組織であった労働科学研究所旧蔵資料の整理・分析を進める。新しい資料群の分析を加えることによって、より重層的な戦時期のとらえ方が可能となるだろう。その分析を発展させ、戦時期の労働と生活のあり方に関する研究成果をまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
産業報国会の下部組織であった労働科学研究所の調査を進める中、急きょ、関係資料の受贈を行うこととなり、その資料の整理・分析を研究計画に加えたため。
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次年度使用額の使用計画 |
新規に受け入れた労働科学研究所旧蔵資料の整理に関する謝金とそのための物品費、その他として使用する。
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