研究課題/領域番号 |
24530413
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
小西 豊 岐阜大学, 地域科学部, 講師 (10303489)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 / ロシア / 国際情報交換 / ロシア |
研究概要 |
本研究プロジェクトの初年度にあたる平成24年度は、新興市場国ロシアの企業行動・構造および市場の諸制度を比較経営学分析アプローチで研究するために、第一次資料(ロシア語新聞、業界誌、経済ジャーナル、マクロ経済統計、ミクロ経済統計、現地企業の内部文書など)の収集、読み込み、その分析、さらに2012年11月8日から20日までの日程でモスクワにおけるヒアリング調査を当初の計画どおりに遂行した。 3年計画の初年度の平成24年度の研究では、コーポレート・ガバナンスのロシア的特質を解明するために、経営者の選抜、労働者の動機付け、報酬および外部者(銀行)のモニタリング機能などを文献およびヒアリング調査で分析することに重点を置き、研究に取り組んだ。 特にモスクワにおけるヒアリング調査では、ロシア科学アカデミー経済研究所、国民経済予測研究所、国際関係世界経済研究所、独立社会政策研究所、政治技術研究所モスクワ大学、ロシア国立高等経済学院などでロシア企業のマネジメント、企業研究に従事する研究者十数名からビジネス環境、ロシア経済の動向、M&Aに関する重要な情報および本研究に対する研究協力を得られることを確認できたことは最大の成果であった。さらにロシアに進出した日本の大手企業、自動車関係一社、メガバンク一社を訪問し、現地法人の経営責任者から外国企業からみたロシアのコーポレートガバナンスの現状と課題についてのヒアリング調査を出来たことは現地でしか得ることができない貴重な情報を得ることができた。 残り2年間継続する本研究プロジェクト遂行のための研究ネットワーク構築と基礎資料の収集、分析という当初の目的を達成するための基礎づくりを平成24年度は確立できたと自己評価している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
残り2年間継続する本研究プロジェクト遂行のための研究ネットワーク構築と基礎資料の収集、分析という当初の目的を達成するための基礎づくりに成功したかどうかという観点から述べれば、ほぼその目的は達成できたと自己評価している。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究実施計画は、平成24年度の文献調査およびモスクワにおけるヒアリング調査を継続、推進しつつ、現在まだ分析が十分に進んでいない領域である経営者と株主の行動における問題点、あるいは従業員の労働モチベーション解明など、新しい視角からの研究のブラッシュアップが必要だと考えている。 さらに被調査企業のサンプル数を拡充するために、資源関連企業のみならず海外の有価証券市場で株式や債券を発行している通信事業、金融、商業部門の企業を対象にしたアンケート調査を実施するためのアンケート設計作業に、ロシアの研究者からのコメントも受けながら着手する必要がある。 本年度も9月に第2次調査を予定している。そのヒアリング調査の準備に大至急取りかかると同時に、2013年5月の日本比較経営学会自由論題セッションで平成24年度研究の成果の一部を口頭報告し、論文として発表するための準備も開始する方針である。 研究プロジェクトの中間年度にあたるため、全体の研究の枠組みと個別の研究項目の齟齬を点検しながら研究を遂行する必要も考えている次第である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額(B-A)は32,173円である。本研究費は、平成25年度において研究資料購入費として使用するものである。
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