研究課題/領域番号 |
24530419
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研究機関 | 麗澤大学 |
研究代表者 |
吉田 健一郎 麗澤大学, 経済学部, 助教 (70389899)
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研究分担者 |
有馬 昌宏 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (00151184)
島田 達巳 情報セキュリティ大学院大学, セキュア研究所, 研究員 (00167446)
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キーワード | 電子自治体 / 情報化成熟度 / 成熟度モデル / IT戦略 / 推進体制 |
研究概要 |
本研究の目的は、行政経営の視点から日本の地方自治体を対象として、情報化に関する成熟度モデルを構築するとともに、実証的に測定を行ない、適用することにある。成熟度モデルは、目指すべき方向を定める能力とその方向に向かえるかどうかの組織能力(capabi lity)を評価するモデルであり、結果・成果だけでなく、結果・成果を生み出せる能力に注目する。以上の目的に沿って、これまでの研究成果である成熟度モデル試行版と海外事例(主に韓国)、日本の先進自治体へのヒアリング調査をもとに、新たな成熟度モデルを次のように設定し、「IT戦略」、「推進体制」、「業務改革」、「システム開発・運用」、「オープンガバメント」、「情報セキュリティ」の計6分野について適用したモデルを構築した。 本年度は、情報経営の視点から情報化成熟度の基本枠組みから、IT戦略と推進体制を軸として、「IT化にかかる推進体制の水準及びIT戦略の水準」と「セキュアで効率的かつ利便性の高い情報システムの構築及び運用の水準」の関係性について検証を行った。すなわち、情報化推進能力が適切なレベルになければ、適切な情報化推進(セキュアで効率的かつ利便性の高い情報システムの構築及び運用の水準)は達成できず、地方自治体としての情報化成熟度は低い水準に留まってしまうことを検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、【研究実績の概要】において示した「IT化にかかる推進体制の水準及びIT戦略の水準」と「セキュアで効率的かつ利便性の高い情報システムの構築及び運用の水準」の関係性に関する検証を終えているため、順調に進展しているといえる。しかし、論文の査読結果に対する回答が遅れているため、成果物として出ていないため、区分「(1)」とは言えない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に西宮市、千葉市、豊川市、草加市などの4つの自治体に対するインタビュー調査を終えており、今後はその内容などをまとめていく。 また、地方自治体が策定する情報化計画には、自治体の規模や情報主管部署、首長からの支持などの要因がその質に大きく関わってくるため、規模の大きな自治体であれば、情報主管部署の能力で適切な計画を立案・実行していくことができる一方、規模の小さな自治体はその限りではない。そこで、今後(次年度になるかもしれないが)、筆者がこれまで実施してきた調査内容から、自治体規模によらず、地域の実情に合った情報化計画を策定するための情報化計画標準化案の構築を試みたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
物価変動などで見積りよりも少額で済んだ物品があったため。 次年度は最終年度であるため、研究報告の回数を増やすなどしたい。
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