本研究により、二つの重要な結果が得られた。 まず、詳細な組織特性とIT投資・経営成果の関係について実証分析の結果、(1)外部情報認識・内部知識流通とIT投資とは、補完的な関係にある、(2)組織フォウカス・継続的な革新とIT投資とには、有意な関係は見られない、(3)効果的な意思決定機構とIT投資とは、代替的な関係になる、ということが明らかになった。特に3は重要で、ITによって自動的に権限委譲や分権化が進む訳ではないという、通念に反する結果を得ることができた。 二番目に、当初計画しなかった経済センサスの利用が研究期間中に可能になったことにより、新たなタイプの研究計画の実現性を確認した。
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