研究課題/領域番号 |
24530429
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
佐々木 利廣 京都産業大学, 経営学部, 教授 (80140078)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | マルチステイクホルダー / 協働 / スケールアウト |
研究概要 |
さまざまな社会的課題をビジネスの手法で解決するソーシャルビジネスが注目されている。マルチステイクホルダーによるリサイクル活動システムもその一つである。そして、ここ数年大きな課題になっていることは、マルチステイクホルダーによるリサイクルモデルともいうべき原型が形成された後、そのモデルを他の地域さらには他の国へどのように移転し定着させていくかというスケールアウトの問題である。これは組織間学習システムの問題でもある。さらにその学習システムは、主体としての組織だけでなく、それを超えた地域社会やより広範な社会そのものを改善し改革していくことを目標にするという視点が強調されている。24年度は、屋台村方式、オンパクモデル、新庄方式という3つのソーシャルビジネスがビジネスモデルとしてどのような特徴をもち、地域にどのように移転したかについて調査を行った。新庄方式のスケールアウトに大きな役割を果たした東海研創、環境対応型屋台村の立ち上げとスケールアウトに大きな役割を果たした中居容器、オンパクモデルの構想と全国にオンパクモデルを広めることを主要活動にしているジャパン・オンパクのそれぞれの代表者にインタビュー調査を行った。またマルチステイクホルダー協働の構造と過程を分析するための概念モデルとして、組織学習論、制度化論、組織間協働論などの先行研究をレビューしながら、次年度以降のフィールド調査やインタビュー調査のための基礎概念やフレームワークについて検討してきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
企業とNPOと行政という3つのセクターによるマルチステイクホルダーシステムの生成と移転についての調査は、計画していた調査対象地域の代表者や関連組織へのインタビュー調査をおおむね順調に終了した。またマルチステイクホルダーシステムの移転過程を分析するための理論についても欧米の主要文献をレビューすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は理論枠組としてソーシャルイノベーション論やオープンイノベーションなどの考え方をもとに、イノベーションの生成過程と普及過程についての過去の研究を整理する予定である。さらにソーシャルビジネスのモデルが通常のビジネスモデルとどこが違うのかについても検討していく予定である。また調査対象としては、企業とNPOと行政の協働による社会課題の解決について成果の上がっている地域やモデルについてより広範囲に探索しながらインタビュー調査等を進めて行く予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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