研究実績の概要 |
本研究は、オーナーシップマネジメントの継続性を高めるための経営の変革に焦点を当て、特に財務論的な観点から効率的な事業承継がなされているかについて評価を行うことを目的としている。具体的には、まず、継続的に発展を遂げてきている企業で行われてきた経営の変革、特に財務管理、あるいは財務的な変革を調査し、特徴を探るとともに分類・整理を行う。次いで、事業承継された企業が、承継前の経営者によって蓄積された経営資源を毀損することなく有効活用して効率的な経営が行われているかという観点からの分析を行うものである。 全研究期間3年間の最終年度である本年度においては、昨年度に実施した質問票調査の量的データの分析を行い、日本財務管理学会第38回全国大会統一論題「中小企業と企業財務」において「中小企業の事承継と財務パフォーマンス」と題して報告を行った(平成26年6月)。加えて、当該分析結果に、先行研究のレビューや分析のフレームワークなどを付記することで体系的にまとめ上げ、「Corporate Succession and Performance in Japanese Small and Medium Enterprises」『年報財務管理研究』(第26号、日本財務管理学会、査読審査通過、平成27年秋刊行予定)として発表している。 さらに、今後継続して事業承継と財務パフォーマンスを研究していくための情報収集と問題意識・研究対象の絞り込みを目的に、平成27年2月、カリフォルニア州の複数の大学およびサンノゼ市役所において実地調査を行った。具体的な訪問先は以下の通り。California State University, Fresno。The Institute of Family Business。University of California, Santa Cruz。City of San Jose。
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