研究課題/領域番号 |
24530433
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
松村 勝弘 立命館大学, 経営管理研究科, 教授 (40066733)
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研究分担者 |
篠田 朝也 北海道大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (50378428)
田中 伸 滋慶医療科学大学院大学, 医療管理学研究科, 准教授 (60413556)
飛田 努 福岡大学, 商学部, 准教授 (60435154)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | コーポレート・ガバナンス / 日本的経営 / 企業価値 |
研究概要 |
本研究は平成21-23年度科学研究費補助金を受けて行った「日本的経営と企業価値経営の融合に関する実証研究:ハイブリッド型日本的経営の研究」の一層の発展を目指し、平成24-26年度科学研究費補助金を受けて行う「日本企業のコーポレート・ガバナンスの多様性と類型化に関する研究」であるが、その1年目平成24年度は、前回研究に際して行ったアンケート調査の分析がなお十分でないところの検討を行った。9月と2月に行った研究会、別途学会参加の機会に行った情報交換を通じて、日本企業が置かれている現状を再確認するとともに、平成24年6月の学会発表、平成25年度初頭発刊予定の論文などを通じてこれへの学界からの意見を受け、今後の研究の方向性を決めるうえでの参考にしようとしている。なお、インタビュー調査の実施を計画していたが、まずはアンケート結果を精査し、問題整理をすることを先行させた。 その整理を通じて、これまでわれわれはアンケート結果に基づき、日本企業をハイブリッド型、日本的経営型、独立独歩型の3類型に分類して分析を始めていたが、因子分析を行うと、どの類型にあっても、雇用制度が従来型(定期昇給、年功序列、新卒採用など)であるという因子が、業績に正の影響を及ぼしているということが判明した。この点は、今後さらに検討を深めたうえで、学会報告を通じて大方の意見を得て研究成果としてまとめていく予定である。 さらに気づいた点は、日本的経営と一概に言っても、その概念規定が必ずしも明確でないことである。これを精確に概念付けしなければ、研究の前進が望めないということである。メンバーによって考え方が違うので、この点をさらに各自深めた後、意見交換をし、仮結論を得た後、次の展開を図ることになっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
過年度科学研究費を執行して行ったアンケート結果をについて、試みに因子分析を行ってみると、興味深い結果が得られた。これに伴い、新たな問題も出てきているので、改めてアンケートないしインタビューをする必要も生まれてきているが、因子分析の興味深い結果を踏まえて、学会報告を行えるのではないかと考えている。問題認識が深まり、一定研究は進んでいると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、上記日本的経営の概念規定を各自深めることが、喫緊の課題となっている。これのすりあわせを、25年度前半には終えたい。その検討結果を踏まえて、補足アンケートもしくはインタビューを行いたい。ただ、上記検討結果が必ずしも現時点では明確でないので、次の研究調査の方向性が必ずしも明確になっていない。この点の解明を急ぎたい。 現時点では、本年6月に行われる日本財務管理学会に全員が参加するので、その機会に意見交換を予定している。それまでにもメールなどで意見交換しておきたい。6月これらの意見交換を踏まえて、9月には研究会を行う。そこで検討した内容に従い、アンケートもしくはインタビューを行い、平成26年2月に行う予定の研究会で、それらの結果などを踏まえたうえで、研究成果をまとめていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
年2~3回の研究会実施のための旅費。インタビューのための旅費。研究内容の学会発表のための旅費。消耗品費。
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