研究課題/領域番号 |
24530440
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
横山 恵子 関西大学, 商学部, 教授 (00349325)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ソーシャル・ビジネス / 協働 / ソーシャル・アントレプレナーシップ |
研究実績の概要 |
本年度は,ソーシャル・ビジネスと営利事業との相異点をアントレプレナーシップの観点から,理論と事例の双方から検討した.アントレプレナーシップ・モデルが,事業のライフサイクルとともに変わることがつかめた.現在,その要因をもとに仮説モデルを検討中である. 文献および複数事例研究を続ける中で,ソーシャル・ビジネスと環境についても整理すべき点がある.外部環境の点としては,PEST分析,タスク環境分析,特に事業規模,市場ターゲットの質に注目して研究を続ける予定である.内部環境としては,知識創造の点から,アントレプレナー・チームの活動プロセスの検討に着手した. またアントレプレナーシップの1つとして,協働をとらえなおし,事業ライフサイクルとネットワーク構築の質の変化の相関関係も検討している.この点についても,いまだ文献による理論研究と,いくつかの事例研究をもとに考察しているにすぎず,調査対象,アプローチ方法ともに手探りの状態にあり,今後,時間を費やして明らかにしていく必要がある. ソーシャル・ビジネスと協働に関する事例については,専門機関と連携して10年分のデーターベースを確保している.ソーシャル・ビジネスにおける協働を企業主導型,NPO主導型と大別して考察してきたが,いずれにせよ,規模的には非常に小さいもの,また短期間のものが多いことがわかっている. 全体的に一貫性のある理論構築に落とし込むために,まだまだデータ収集と分析に時間がかかるであろう.したがって,ある程度,多角的に枝となる研究を進めた後,整理・検討して,幹を通すために再調査する必要があるだろう.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新しい大学に移り,2年目ではあるが,担当科目も大きく変更したため,教育に費やす時間が当初の予定よりも大幅に増加した. また研究自体に関しても,試行錯誤が続き,想定より遅れることになった.
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今後の研究の推進方策 |
ソーシャル・ビジネスの事業ライフサイクルと協働デザインについて,新たにアントレプレナーシップおよび知識創造理論の観点を取り入れながら,研究を再構築していく予定である.ソーシャル・アントレプレナーシップとアントレプレナーシップの相違点等を,知識創造理論のフレームワークを踏まえて明確にしていきたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
教育負担の増加や,研究の試行錯誤が続いたことにより,研究全般に大幅な遅れが生じている.したがって,当初計画で使用するはずであった事例調査や定量調査に着手できておらず,次年度使用額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額は,遅れている事例研究および定量研究のための文献費,国内外出張費,そしてデータ収集・整理・分析のためのツール等消耗品や設備費に使用する.
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