本研究では,多様なソーシャル・ビジネスと協働という現象について,複数の分析視点を用いて,マネジメントの鍵要因を見出した.NPO主導型のソーシャルビジネスにおける協働と企業主導型のソーシャル・ビジネスにおける協働とに類型化して,複数比較分析を行い,以下の点を明らかにした.第一に,資源をつないで,コーディネートするネットワークの中核として,NPOという制度が非常に適していること.第二に,ソーシャル・ビジネスの関係性(ネットワーク)が広がるほど,多様な場を創造して,多様な価値提供・創造・享受の関係性がみられること.第三に,ソーシャル・ビジネス協働のビジネスモデルの性質に違いがあることである.
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