本研究では、2009年10月に中国の深セン証券取引所に開設されたベンチャー企業向け市場である創業板市場における新規上場時の過少値付けの要因について分析を行った。 分析の結果、主板市場を対象とする先行研究で確認されている変数(公開価格決定日から売買開始日までの日数の長さ、PERの大きさ、公開株式の応募倍率)の変化が、創業板市場における過小値付けの低水準を生み出しているというエビデンスを得た。 また、機関投資家のタイプ別の入札情報が初期収益率におよぼす分析においては、証券会社が、他の機関投資家に比して、新規公開企業に関する私的情報を有している可能性があることが示された。
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