研究課題/領域番号 |
24530442
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研究機関 | 保健医療経営大学 |
研究代表者 |
白木 秀典 保健医療経営大学, 保健医療経営学部, 准教授 (10614373)
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キーワード | 中小病院 / 複合的経営 / 地域包括ケア / 収益性 / 職員満足度 / 医療福祉生協 / 資金調達 / 出資金 |
研究概要 |
当初計画のアンケート調査については、診療データと組み合わせたものが獲得しにくいと判断し、昨年から日本医療福祉生活協同組合連合会(医療生協)から提供された全国の200床以下の病院を運営する法人(いずれも医療のほかに介護福祉施設を複合的に経営する中小医療法人に該当)についての財務データ、診療データにもとづき、その収益性の特色を分析し、経営の特色についての研究を開始している。 また同時並行的に、昨年にひきつづき、運営法人の専務理事にインタビューを追加で行っている。 今回の研究は、「収益性」「資金調達」「人材マネジメント」「優位性の築き方」について焦点を絞っているが、収益性の要因分析については、夏までの成果を日本医療・病院管理学会(9月)において一般演題として発表した。 さらに、「人材マネジメント」については、職員意識調査と収益性の関係について分析し、聖マリア医学会(12月)において発表した。 現在はひきつづき分析の深度を高めながら、論文を作成中である。 ただ、研究テーマの副題となっている、「東西日本の比較検証」については、あらためて研究計画を練り直す必要がある、 また、上記データ分析とは別途行ってきた、教材用のケースライティングについても、候補の取材を進めており、執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2年目の前半は、①収益性の分析 ②人材マネジメントとして職員満足度と収益性の 関係、という2つのテーマについてデータ分析を行い、それぞれ、日本病院・医療管理学会、聖マリア医学会において発表した。 また、データ提供元であり、多くのインタビューに応じていただいた、日本医療福祉生活協同組合連合会では専務会議において、研究成果の発表をかねた講演を行った。 しかしながら、その後、平成26年に入ってから取り組んでいる論文作成には本年度中の完成を目指しているが、さらに分析を進める必要があり、急ぐ必要がある。 また、ケーススタディー用の教材としての、個別病院のケースライティングも、個別の取材は進んでいるが、完成までにまだ時間を要する見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
データによる収益性の分析のみにこだわらず、当初の計画の大枠である「経営の特色」としての「優位性の構造」について考察を深めて、その全体像を明らかにする方針で臨む予定である。 特に、平成26年4月の診療報酬改定によって道筋があきらかになった、「地域包括ケア」への取り組みを一つの軸として取り組む予定である。 また、遅れている「東西の比較検証」についてはあらためて東西の経営環境について前提条件を考察し、たとえば、福岡県と千葉県の事情を比較するなど、対象を絞るとともに、マクロ像だけでなく、個別のケースを中心に実証研究をする予定である。 以上により、おのずと、ケーススタディー教材用の事例もクリアになると思われる。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年末の対外的な発表活動が一段落したあと、研究がやや遅れており、経費の使用も 予定より少ない状況となった。 最終年度にむけて、今後あらためて研究活動を活発化する予定である。 当初の研究計画では、3年目の今年は論文執筆がメインとなる予定で、研究費の配分は 少ない予定であった。 しかし、未使用分を利用して遅れている研究をキャッチアップしていく予定である。
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