研究課題/領域番号 |
24530444
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研究機関 | 宇部工業高等専門学校 |
研究代表者 |
内田 保雄 宇部工業高等専門学校, 経営情報学科, 教授 (70321487)
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研究分担者 |
松野 成悟 宇部工業高等専門学校, 経営情報学科, 教授 (30290795)
坂本 眞人 宮崎大学, 工学部, 准教授 (50196101)
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キーワード | 中小企業 / クラウド |
研究概要 |
前年度の研究調査およびその分析と考察にもとづいて、クラウドシステムの企画・設計の作業に入る。このフェーズでは、全研究者でシステムの仕様について、分析・検討を重ねることにより、仕様を確定していく。システムの骨格やユーザ・インタフェースなど、本システムの基本構想は研究代表者が中心となって立案し、研究分担者は経営情報システム的な側面およびネットワーク技術・情報技術をフォローする。また、研究分担者は、本システムが幅広い分野の業務に適用できるように経営情報論および情報工学等の立場から検討を加える。そして、システムの設計・開発に取り組む。ここでは、中小企業に適合的なシステムのモデルを考案し、プロタイプとして実装する。 まずはじめに、Google AppsやAmazon ECのような既存の代表的なクラウドシステムについて優劣を比較・検討した。また、システムの基盤となる仮想化技術について比較・検討した。実際のハードウェアを完全にエミュレートするのではなく、仮想マシン環境のための仮想的なハードウェアを提供することによって実現する「準仮想化」と仮想化支援機能を有するCPUを用いて、実際のハードウェアを完全にエミュレートする「完全仮想化」との優劣について検討した。 続いて、クラウドシステムサービスの形態に対応させて、SaaS(Software as a Service:機能がネットワークを介して提供される)、PaaS(Platform as a Service:アプリケーションの開発環境、カスタマイゼーション機能がネットワークを介して提供される)、IaaS(Infrastructure as a Service:仮想マシンやOSもネットワークを介して提供される)という観点から3つのサブシステムとしての構成を設計した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度の研究調査およびその分析と考察にもとづいて、クラウドシステムの企画・設計の作業に入ることができた。このフェーズでは、全研究者でシステムの仕様について、分析・検討を重ねることにより、仕様を確定した。システムの骨格やユーザ・インタフェースなど、本システムの基本構想は研究代表者が中心となって立案し、研究分担者は経営情報システム的な側面およびネットワーク技術・情報技術をフォローした。また、研究分担者は、本システムが幅広い分野の業務に適用できるように経営情報論および情報工学等の立場から検討を加えた。そして、システムの設計・開発に取り組むことができた。ここでは、中小企業に適合的なシステムのモデルを考案し、プロタイプとして実装した。 まずはじめに、Google AppsやAmazon ECのような既存の代表的なクラウドシステムについて優劣を比較・検討した。また、システムの基盤となる仮想化技術について比較・検討した。実際のハードウェアを完全にエミュレートするのではなく、仮想マシン環境のための仮想的なハードウェアを提供することによって実現する「準仮想化」と仮想化支援機能を有するCPUを用いて、実際のハードウェアを完全にエミュレートする「完全仮想化」との優劣について検討した。 続いて、クラウドシステムサービスの形態に対応させて、SaaS(Software as a Service:機能がネットワークを介して提供される)、PaaS(Platform as a Service:アプリケーションの開発環境、カスタマイゼーション機能がネットワークを介して提供される)、IaaS(Infrastructure as a Service:仮想マシンやOSもネットワークを介して提供される)という観点から3つのサブシステムとしての構成を設計しプロトタイプを稼動することができた。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる平成26年度では、開発したシステムの実証実験をおこない、さらに評価もおこなう。最終フェーズとして、実証システムによる運用と評価をおこない、知見としてまとめる。 そのためにまず、システムの基盤となるOSの選定と設定、データベースの選定と導入、ネットワークの構築を実施する。次いで、IaaS 型クラウドサービスを提供するための代表的なオープンソースであるEucalyptusなどを導入し、プロトタイプシステムを試作する。そして、実際に運用をおこない、On Demand and Self Services(オンデマンドかつセルフサービス)、Broad Network Access(幅広いネットワークアクセス)、Resource Poo ling(資源の共有)、Rapid Elasticity(迅速な拡大/縮小)、Measured Services(計測可能なサービス)という5つの尺度から性能を測定し、そのパフォーマンスを検討する。ここでは特に、クラウドコントローラ、クラスタコントローラ、ノードコントローラの性能についての精査が必要である。 続いて、中小企業等の協力を得てシステムの実証実験をおこない、RASISつまり「信頼性」「可用性」「保守性」「保全性」「安全性」の観点から評価を実施する。これにより、中小企業に適合的なクラウドシステムのフレームワークのモデルを設計するとともに運用・管理時の問題点についても調査・考究する。 そして、3年間の研究で得られた結果を取りまとめ、学会や国際会議等で成果の発表を行う。最後に、情報基盤としての評価・検証をおこない、その有効性について知見としてまとめ、今後の課題を設定するとともに将来の研究の展開の方向性について探求する。
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次年度の研究費の使用計画 |
論文の投稿時期が年度の変わり目と重なり若干遅れたため、次年度で論文投稿および支払いを行なうことにした。なお、他の研究費の使用計画についての影響はない。 論文の英文校閲および投稿料として、昨年度の予定に準じて使用する。
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